風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

墓には花束、暑さには梅を

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先日、母と妹を車に乗せて、道が混まないうちに早めに父と祖父母のお墓参りをしてきました。

今年はこんな花束を持って。

盆や彼岸にお花屋さんに並ぶ「いかにも仏壇・墓用」のけばけばしい花束があまり好きではなくて、ここ数年は花を自分で選びそれらしい感じにまとめています。


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お墓参りの帰りは行ってみたかったカフェ「Agt」へ。(あじと、と読むみたい。)

豊平川のほとりに建つ二階建ての一軒家のお店で、中は椅子やテーブルの数も少なく、広いスペースでゆったりと過ごせるいい雰囲気。

メニューはお米のビーガンサンドイッチがメイン。それにサラダやフルーツ、みそ玉スープをセットにしてみました。

食べた後もお腹が軽く非常に健康的な食事なので、うちの男子は連れて行けないけど、ヨガのあや女子たちで来るのに最適。


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そして、見に行こうと思っていた絵本作家の橘春香さんの原画展の会場が、まさかのここAgtだったのも嬉しい出来事でした。

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児童書「銀杏堂 スフィンクスのつめ」の中の一話《記憶の聞香杯》に登場する色々な“におい“をアロマテラピストの方が再現しているコーナーが面白かった!

透明のガラスドームを開けてにおいを嗅ぐことができます。

◎冬のセーターのナフタリン

◎むらさきの母の乳液

◎こども風邪薬シロップ

◎人形の頭のにおい

などが特に再現度が高くて「なつかしい〜」とあの頃にタイムワープ。

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机の上に置かれた大きなガラスドームにはまた違う「におい」が入っていて、そのにおいから連想する言葉を付箋に書くことができるようになっていました。

そして橘さんが黒板に描いた大きな鯉の絵に、付箋をうろこのように貼り付けることができるのです。私ももちろんにおいを嗅いでみて「これは、あれだ!あのにおいだ!」とピンときた言葉を書き記してきました。


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Agtの一階では美味しそうでおしゃれな自然食品がいろいろ紹介されていて、私は和歌山の「梅ボーイズ」が作った梅干しを買って帰りました。

2階で飲んだみそ玉スープの中に焼いた梅干しとサイコロ状の長芋が入っていて、それが最高に美味しかったからです。梅干しなんだからもちろん酸っぱい味噌汁になるのですが、蒸し暑くてだる〜と思っていた身体にガツンと効いて、そのあとスーッと涼しくなったのには驚きました。

しばらくは梅干し入り味噌汁で暑さを乗り切っていけそうです。

 

《原画展 銀杏堂 スフィンクスのつめ》

作・絵 橘春香 

7/22fri.〜8/21sun. 10時〜17時 木曜定休 閲覧無料

会場《Agt》MOKU | WEB MAGAZINE

札幌市中央区南16条西4丁目1-10

歌声、赤髪

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原作・原泰久「キングダム」週刊ヤングジャンプ連載/東宝ソニー・ピクチャーズ配給

少年マンガやアニメの面白さを教えてくれたのは息子だ。もしも私の子どもが女の子だったら知らずにいた世界だったかもしれない。

先日、パート1の上映から3年の時を経てやっと公開された「KINGDOM 2 遥かなる大地へ」をレイトショーで観てきた。

65巻出てもまだ完結していない原作マンガから今回は「蛇甘平原の戦」をクローズアップ。この戦は天下の大将軍を目指す信(山﨑賢人)の初陣で、錚々たるキャストに加え1万人というエキストラを使っての映像が大迫力だった。それにしても信は一番下の兵のくせに上官の命令も殆ど無視して勝手に先頭に立つ。そして無敵の強さと無限の体力であっという間に敵陣までたどり着いちゃう痛快さ。

漫画かよ…漫画だ。

女剣士・羌瘣(きょうかい)役の清野菜々のアクションが期待通りの素晴らしさ。長い剣を持ち、しなやかに舞い踊りながら敵を束で倒していく様子はアニメーションのように美しかった。

そして千人武将・縛虎申(ばくこしん)。

彼は今回私の中で完全にNo. 1ヒーローに決定!演じたのは「孤狼の血level2」でのヤクザ、「真犯人フラグ」での阿久津刑事でも良い味を出していた渋川清彦さん。

縛虎申は部下に無謀な突撃命令を下す鬼将軍だが、自身も命を投げ出して敵の首を討ち取り、壮絶な死を遂げるのだ。

気迫に満ちた見事な死に様に震えた。

それにしても物語はパート2にして原作のまだほんの触りの部分である。映画の完結には山﨑賢人の成長とともに10年以上?いやそれ以上かかりそうだ。それに予算は足りるのだろうか心配だ。

 

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集英社/週刊少年ジャンプ

キングダムの信が「天下の大将軍」になるにはかなりの年月を要しそうだけど、こちらのヒーローが「海賊王」になる日はそう遠くなさそうだ。

ワンピースの主人公ルフィー。

仲間を思いやり正義を貫く、ぶれないルフィーと個性豊かな「麦わらの一味」たちの冒険にずっと胸ときめかせている。物語は漫画と(少し遅れてアニメーションも)最終章に入り、ますます面白さが神がかってきている。


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原作・尾田栄一郎「ワンピース」週刊ジャンプ連載/ワンピース製作委員会/東映配給

で、映画「FILM RED」は公開初日に息子と一緒に観てきた。誰にも邪魔されずに集中できるベストな座席を予約して。息子は上映中にトイレに行きたくならないよう、朝から水を一滴も口にしない徹底ぶりだった。

映画はシリアスになってきている原作とは切り離された内容で、夏休み向けお祭り映画という雰囲気があった。ルフィーが海賊になるきっかけを作った「赤髪海賊団」のシャンクスという伝説の海賊と、その娘、歌姫ウタの物語。

中田ヤスタカ、Vaundyらが提供した素晴らしい楽曲の数々とともに歌い踊るウタのライブは臨場感いっぱいでこの映画を観に行く価値が充分あると思う。

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そして想像していた以上にシャンクスが動き戦う姿と、名ゼリフの数々がもう渋すぎ&かっこよすぎて!!またもや私はアニメの人物に恋してしまった。こんなに心を奪われたのは鬼滅の宇髄天元さま以来…♡

というかワンピースファンは老若男女全員シャンクスにあらためて恋したに違いない。

シャンクスがウタを守って剣を振るう瞬間を何度もスローモーションで見返したい…

でもその前に次は4DXかIMAXでもう一度観に行くことにしよう。

 

Tシャツと平和

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Tシャツのおしゃれについて。

ヨガに行く時は別として、Tシャツ一枚だけで出かけることはしなくなった。

どんなに新品だとしてもTシャツはなんだかやっぱり「家着」という感じが自分は否めない。

Tシャツを「外出着」として格上げさせるために、ネックレスやつけ襟など何かしら手を加えると安心できる。

今年新調したのは、GOOD ROCK SPEEDのUFO Tシャツ。

このTシャツにつけ襟を重ねるのが気に入っている。

 

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それからあともう一枚、最近クローゼットに加わったTシャツはこちら。

大阪のUSJに遊びに行ってきた妹に頼んで買ってきてもらったワンピースのゾロTシャツだ。

ボトムにはゾロみたくストレートのブラックデニムを選びたいところだけど、ルメール×ユニクロのタイトな赤の膝下スカートか、ミナのsleeping flowerのスカートを合わせて

映画《ONE PIECE  FILM  RED》を見に行きたい。

 

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sleeping flowerのスカートは、迷彩柄の部分をハサミで切ると下に白い花が現れる。

よいことがあった日や素敵な場所に行ける日にひとつずつ開けることにしている。

ずっと歳をとった時、たくさん白い花がのぞいているといいなー。

そんなすごい仕掛けと反戦メッセージが込められてる自慢のスカートだ。

 

今日は、8月6日。



 

空白を満たしなさい andドラマ雑記

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NHK土曜ドラマ「空白を満たしなさい」が全5話で終了した。稀に見る傑作だった。

自殺を疑われたまま死んだ男が、3年後に生き返って突然妻の前に現れる。

最初は死の真相を追うSF的ヒューマンサスペンスかと思っていたら、最終的に「私はなぜ生きるのか」という哲学的な問いの答えを観る者に考えさせる深い話に辿り着いた。

柄本佑鈴木杏阿部サダヲの演技の凄まじさに毎回くぎづけになった。表情はもちろん、声の出し方、動作、そのすべてに繊細な感情の移り変わりを乗せるのが天才的にうまい3人。

このドラマは平野啓一郎さんが書いた小説が元になっている。もちろん脚本は十分素晴らしかったのだけど、切り取られた台詞の背景について詳しく知りたくなり、本を買ってきて読み始めている。

 

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と、ここでついでに《2022年4月スタート春期・嘘ミドラマ大賞発表》!!

 

「空白〜」のような自分にとって非の打ち所がない名作ドラマは年に数本あるかないかだけれど、

今年4月スタートの春ドラマの中ではナンバMG5」(フジテレビ)は完成度が高く、一本筋が通った青春学園ドラマだったと思う。

役によって変幻自在な間宮祥太朗が今回は「普通の青春がしたい」と願うヤンキー家族の次男、主人公の難波剛を演じた。剛は家族の手前、普段は特攻服を着て仲間を助けるために派手にケンカをするが、実は内緒で普通の高校に通い、成績優秀で生徒会長まで務めるという二重生活を送っていた。その様子がコミカルで笑えるんだけど話はそれだけでなくて、友情、恋愛、ちょっぴり社会問題、それに家族愛まで全部ぶっ込んでいるにも関わらずよくまとまっていたし、毎回とにかく元気をもらえる楽しいドラマだった!

ヤンキードラマでは「今日から俺は」も大好きだったけど、「ナンバMG5」はそれ以上かも。続編を期待。

 

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「マイファミリー」(TBS)は日曜劇場枠らしいスケールの大きさで任せて安心の面白さだった。最近サスペンスドラマは犯人の考察をするというより「個性の強い推しキャラを見つけて応援&物語の流れに身を任せる」という楽しみ方をしているんだけど、犯人はまさかのサンドイッチマン・富澤さんだとはね。ニノの演技していないみたいな自然な台詞回しや振る舞いもさすがだった。

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インビジブル」(TBS)は犯罪集団「クリミナルズ」を追う刑事(高橋一生)が犯罪コーディネーター(柴咲コウ)とバディを組んで、未解決の凶悪犯罪を解決していく話。じつはクリミナルズの頭は警察内部の検察官(桐谷健太)だったっていうよくあるオチだったのが残念だった。が、柴咲コウの住む洋館と衣裳とティーセットが毎回豪華で美術が凝ってた点は楽しめた。あと「凪のお暇」や「カルテット」とは全く違う、笑わないクールな高橋一生もステキだった。

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恋愛ドラマは食器デザイナーの純(広瀬アリス)とレストラン勤務の柊磨(松村北斗)のぬるい恋愛模様を描いた「恋なんて本気でやってどうなるの?」(カンテレ)と、ヨガインストラクターの娘(上野樹里)と辞書編集者の父(松重豊)それぞれの恋愛と結婚を描く「持続可能な恋ですか?」(TBS)の2本を。

どちらもキャストは良かったのに〜。キャラはぶれたりぼやけたり、最終回は「そりゃないでしょー」な自己中でお寒い展開もあって私の評価は低し。

恋愛ものは恋するふたりにどれだけ共感できるかが大事で、トキメキに丁寧な裏付けと説得力がないとだめ。

あと話を広げすぎると回収するのが難しくなると思うが、散らかした以上、最低そこはちゃんとやってほしいな。

三谷幸喜山田太一向田邦子倉本聰坂元裕二木皿泉渡辺あや大石静岡田惠和三谷幸喜井上由美子…。好きな脚本家は書ききれないほどたくさんいるけれど、彼らはほんとすごいんだと改めて思う。

 

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あ、落ちぶれた元ボクサーのキムタクが高校のボクシング部を勝利に導くスポ根もの、「未来への10カウント」(テレビ朝日もなんだかんだで最後まで観てしまった。48歳の悲哀を感じる役どころだったけど、キムさまは何やってもキムさま。はい、カッコいいですね。

 

ピンク女子会

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今週は久しぶりの友人たちとの会食の予定が2つありました。

ひとつめは息子の幼稚園時代からの友人たちとホテルのレストランでアフタヌーンティーティーの会。

3段トレーに乗った小さなお菓子のセット、それにハーゲンダッツアイスとTWGの紅茶の食べ飲み放題つきという、豪華なアフタヌーンティーでした。はっきり言ってハーゲンダッツとTWGだけでも元が取れちゃう贅沢な内容。

そしてこのアフタヌーンティーのコースには「桃の伝説Ⅱ 西遊記」という何だかすごいタイトルがついていました。よく見ると、孫悟空沙悟浄猪八戒をイメージしたジャスミンの香りのシュークリームにメロンとライムのタルト、マンゴーとベルガモットのムース、筋斗雲のマシュマロ…。

全てのお菓子にパティシエの細やかな技が光っていて感動。

私たちはひとつひとつのお菓子や紅茶の味にいちいちあーだこーだ感想を挟みつつ、同時に近況報告から趣味の話まで話題はくるくる変わって、ああ、忙しい。

けどやっぱり顔を突き合わせて話すって楽しいものです。

 

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そして金曜日の夜は偶然なのだけど、先日のアフタヌーンティーと同じホテルのレストランの、今度はテラス席にて約束がありました。

高校時代からの友人たちとのディナーの会。

ぬるい風に吹かれながら、まだ明るい時間から生ビールで乾杯。

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夜のコースには《PINK 台湾 2022 》というタイトルがついていて、台湾夜市や屋台をイメージしたお料理やお酒が頂けるというものでした。

ホテルのホームページに載っていた写真(上)のキッチュな雰囲気に合わせて、真っ赤なワンストラップシューズをはいて出かけたのですが…

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私たちが通された席は「どこがpink台湾やねん」と言ってしまいそうな普通のテーブル席だったのでした。ざ、残念。

せめてピンクのテーブルクロスを敷いたり、BGMに台湾の歌謡曲を流してくれたら気分も上がるのに〜

とはいえ、勝手にこっちで盛り上がって笑い声を注意されないかとヒヤヒヤするほど楽しかったので、お店の雰囲気など結局どうでも良くなったのだけれど。

すぐ近くの川沿いで花火大会が開催されていて、久しぶりに夏らしい景色が見られた夜でした。

 

 

ベイビー・ブローカー

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あまり客足が伸びていないと見えてあっという間に上映回数が減らされてしまった。

是枝裕和監督作品『ベイビー・ブローカー』。

韓国の大スターたちを是枝さんの脚本で撮るとどうなるの?と興味津々だった映画を、観に行くことができた。

 

孤児院の赤ちゃんポストに置かれた赤ちゃんを売買するブローカーたちと、赤ちゃんを手放そうとしながらも諦めきれない母親、孤児院から付いてきた8歳の男の子。そんな彼らを現行犯逮捕しようと追う2人の女刑事をめぐる風変わりなロードムービー

全員主役級の韓国の大スターを起用しての華やかな逃避行劇、となるところが、是枝監督だからか時に眠くなるほど淡々と物語が進む。

多額の借金を抱えながらクリーニング店を営むサンヒョン(ソン・ガンホ)が副業でブローカーをやっている背景は分かったが、彼が最後はどうなったのかがよく分からないままだったし、相棒ドンス(カン・ドンウォン)が赤ちゃんの母親であるソヨン(イ・ジウン)を好きになる過程ももうちょっと丁寧に描いて欲しかった。他にもところどころ??な点がいくつかあって。(私が寝てたのか?)

それと役者たちはもちろん上手いと思うが、ことばが韓国語なのと文化的背景が日本と違うのもあって、是枝監督の台詞(脚本)がいまいち馴染んでいなかったような気がした。だからこの映画の肝である母親ソヨンのセリフ「生まれてきてくれてありがとう」が私にはそれほど沁みてこなかった。

なかなか養子縁組が成功しないまま旅は続き、最後に赤ちゃんは一番ベストな場所に落ち着く。それがもう、ハッピーエンドというよりはファンタジーの世界になっていて。よいのかな?よいのだろうな。現実ではなかなか無いラストで。だって映画だからな。

少子化、貧困化が進む日本ではこれから益々子どもを産み育てることが大変になっていくだろう。望まぬ妊娠をして捨てられる子どもはもちろんのこと、血がつながっていようが無かろうが、他人の子どもも社会全体で育てようよという空気がもっと広がるといいと、この映画のラストを見て感じた。私にはその気持ちの準備はある!

はよ変われ日本のシステム。男たちの意識。

 

あ、これは余談だが、映画の中での食事のシーンについて。とくに張り込み中の女刑事たちが車中で食べ物を口に入れながらお喋りしたり、くちゃくちゃ盛大に音を立てながら食べるのが気になった。私は韓国ドラマや映画をそれほど見ているわけではないけど、どんなにきれいな女優たちでも食べるシーンはいつもそんな感じだ。韓国ドラマに詳しい友人に聞いてみたら「韓国ではそれはタブーではない」とのこと。国が違えば習慣も違う。面白いなぁ!

 

あと「空気人形」で完璧ビューティードールだったペ・ドゥナ(今回は女刑事役)が、歳を重ねても美しい首筋と顎のラインをキープしていることにもちょっと感動した。

パッチワークの丘へ

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先月のこと。旭川〜美瑛のコースで車を運転し、ひとり旅をしてきた。

泊まった旭川のホテルは一人で過ごすにはもったいないくらい広くて快適だった。まだまだ観光客が戻ってきていないからか、部屋をアップグレードしてくれたのだ。

カゴが好きすぎて、今回の旅では2個持ち。

💋のついたカゴには着替えと化粧品と本を。まんまるのカゴは手持ち用。お財布やハンカチ、マスクケースなどを入れて。

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夜ごはんを食べようと予約なしで入ったホテルの和食店。ここも殆ど客がいなかったからか、会社の宴会をするような立派な個室に通されて、さすがに一瞬「え…」と寂しくなった。でも、泡が美しいクラシックの生と揚げたての天ぷら御膳が運ばれてきたら、そんな気持ちはどこへやら。

しいたけ、アスパラ、さつまいも、白身魚、しそ、なす、海老…プロが揚げてくれる天ぷらをひとり贅沢に味わう幸せに浸った。

 

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朝ごはんはここで食べると決めていた。

東川町の大好きなお粥やさん「奥泉」


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札幌から久しぶりにやって来た私を笑顔で迎えてくれた店主。またまた特等席に案内してくれた。


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そら豆のお粥、焼売、水餃子、そして中国茶までをゆっくり堪能。

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絵のように美しい畑の景色を独り占めしながら。

 

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お腹をポンポコリンに膨らませたまま、次に目指したのは東川町から30分の丘の町、美瑛。

駅のすぐそばに、青と白のストライプの屋根がかわいいクリーニング店を見つけた。店員さんの制服もバービー人形が着ているような青×白のストライプのワンピースだったらいいのになぁと想像した。

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美瑛に来たら必ず立ち寄るお店「スイノカゴ」

ちょうど見たかった展覧会が始まったばかりだった。

植物や花にまつわる作品や雑貨が飾られた一角はアートギャラリーのようだった。

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アンティークショップSkantiqueさんがスウェーデンで買い付けした、味わい深い「食せるキノコの本」に心惹きつけられて購入した。

表紙は色褪せているが、この深い抹茶色と黄色いキノコの色のコントラストが気に入ったのだ。

ページを開くと、本の持ち主だった人が挟んだと思しき四つ葉のクローバーが何枚も出てくるというオマケつき。

本の佇まいから考えてもかなり古いものと見受ける。何十年も経って、遠い異国の北海道で四つ葉を見つけて喜んでいる人がいることを天国にいる前の持ち主さんが知ったら、きっと驚くだろう。

 

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さて、この日のメインイベントは、この白樺回廊の向こうにある料理店でお昼ごはんを食べることだった。


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料理家たかはしよしこさんが営む「S/S/A/W BIEI」

東京・西小山のS/S/A/Wより、たかはしさんご一家がここ美瑛に引っ越してきたと聞いた時から、いつか行ってみたいと憧れていたレストランだ。

白樺の森に囲まれた素晴らしい環境は「どんなお料理が出てくるのだろう?」というワクワク感をより膨らませた。宮沢賢治の『注文の多い料理店』のレストランみたいだと思った。


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最初に目の前にサーブされたのは、アスパラガスとラーラキャベツふたつの味が楽しめる「丘スープ」。

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“パッチワークの丘“と呼ばれる美瑛の畑の景色を閉じ込めた芸術的なスープだ。ひと匙口に運んだ瞬間、私を含めカウンター席に座った6人の客全員が、多分同時に目を丸くしていたと思う。

今朝まで畑にいたんだね?と問いかけたくなるアスパラとキャベツの瑞々しい命が、スパイスと溶け合って、身体に染み込んでゆく感覚。

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メインディッシュの《初夏へと向かう韓国式手巻きプレート》は、一言で表現すると「愛と氣がガツンと詰まった一皿」だった。

確かな作り手たちが育てた旬の野菜たちが、SSAWの技術とアイデアの結晶であるスパイスや調味料をまとって、最高に美味しい状態でその身を捧げてくれていた。

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デザートの「いちごとラベンダーのクッキーアイス」がピンクのお皿にのってやってきた。

たかはしよしこさんが私の目の前に立って瞳をキラキラさせながら、花の実にいたるまで、材料ひとつひとつについて説明してくれた。

カウンター席から見えるキッチンは、まさに生の舞台のようだった。スタッフの皆さんも全員いきいきキビキビと働き、心からのおもてなしをしてくれた。

こちらは、感動と感謝の気持ちでいっぱいになった。


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お店の森を抜けるとすぐこの景色。


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スコールのような激しい雨が降っていたのだけど、夏の始まりって感じがして、それもまた気持ちよかった。

 

🍦🧵 スイノカゴ

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🍚 中国茶おかゆと点心 奥泉 

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🍽 SSAW BIEI 

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