風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

旅する山子① 小樽編

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抜けるようなスカイブルーにふわふわピンクがよく映えて、「札幌で見る桜と違う!」と思わず声が出た。

小樽、色内町の桜。

花びらがこぼれ落ちそうにたわわな様子が、本州で見る大好きな桜に似ている。

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こんな快晴の日はさすがに家にこもっていたくなくて、夫に車のナビをお願いし、小樽まで奈良美智さんの写真展を観に行ってきた。

 

「Though no one may notice,the world knows all that you have seen.」

誰も気がつかないかもしれないけれど、きみがずっと見てきたことを、ちゃんと知っているよ。

という長〜いタイトルの展覧会。

この写真展が面白いのは、会場が札幌と小樽の13個の小さなお店に分かれているというところ。北海道が好きな奈良さん、何度も訪れているうちに知り合いになったお店の方たちに会場を借りて、「お店の常連さんがふらっと見に来るような」小さな規模での展覧会を開くことにしたのだそうだ。

世界中にファンがいて、美術展を開けば何万人も動員することが可能な、あの奈良美智さんなのに。なんてカッコいいんだ。


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小樽の会場に選ばれたのは、生活雑貨のお店「vivre sa vie +mi-yyu」さん。会場の目印として、かわいらしい風船が飾られていた。

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また正面には展覧会タイトルが書かれた小さな旗、窓には「山子ちゃん」のカッティングシートが貼られていた。

この味わい深い建物は築100年は経つという、元問屋だった建物なんだそう。

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昔は荷解き場所だったという、少しひんやりと静謐な空気が漂う土間に、写真がいっぱい展示されていた。

世界を旅して撮った何気ない写真の数々。子どもと動物が一緒に写る写真などはとくに柔らかい光を湛えていて、「ああ、奈良さんは優しいなぁ。」って思った。

奈良さんが自ら塗ったという背景の水色にも、異国情緒を感じた。

 

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小さなスペースにもふわりとした良い気が流れていた。

奈良さんの配置のセンス、さすがだ。


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お店の看板と薔薇の花の写真が並んだコーナー。私はここが特に気に入った。


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最後に、山子ちゃんと嘘ミを一緒に撮ってもらった。この日は桜の季節のお出かけに合わせたピンクコーディネートにしたつもり。

「嘘ミは見た!」的な写真になっちゃったけど。