そろそろ時効だよねと判断し、5月の緊急事態宣言下の東京に、一泊だけ遊びに行った時のことを書こうと思う。
梅雨入り直前の東京の空はグレーの曇天、湿気は酷く、
ただ歩いているだけで背中に汗がじっとり。
でも久しぶりの小さな旅に心の中は軽やかだった。
着いてすぐお昼ご飯は東京駅・八重洲地下街にあるカレーの《エリックサウス八重洲店》へ。
バッグに突っ込んできた小さなカレー読本に
ここのビリヤニが絶品だと紹介されていたからだ。
大人数では入れないような小さなお店だったが、個食ができるよう仕切りがされているし、立ち食いそば的に食べてすぐ席を立つ男性客が多いところもいい。
安心してビリヤニをがっつくことができた。
もともとカレーは薬膳料理だけど、特にここのビリヤニは新鮮なスパイスの香りに包まれていて、すぐに身体に効きそうなパワーを感じる味だった。
これで1000円しないビリヤニ、再訪したいお店のリストに入った。
今回の目的はただひとつ。
ミナペルホネン の秋冬のコレクションの展示予約会に行くことだった。
雨が降り出した代官山の駅は、人影もまばらだった。いつもなら沢山の若者や華やかなファッション関係者とすれ違うものだけど、ほんとうに閑散としていた。
ヒルサイドテラスにあるミナの本店。
今回の展覧会のためにワンフロアを開放し、事前に連絡をした人のみが入れる完全予約制となっていた。
迷ったけれど、来てよかった。
20年以上お世話になっているベテランスタッフさんにアテンドしてもらいながら見た「愛しい偶然」と名付けられた次のシーズンのコレクションは、詩的で、愛らしくて、繊細な職人技が光る素晴らしいものばかりだったからだ。
コロナで打撃を受けているのは外食産業だけではなくアパレルもそうだろう。
私は、デザイナーや社員たちが心血を注いでファッションに向き合っている大好きなブランドが無くなって欲しくはないので、その洋服をまとうことで僅かでも応援できればと思っている。
宿泊先は、できたばかりの銀座の小さなホテル。
予約がほとんど入っていなかったようで、部屋をグレードアップしてくれた。
広い部屋を贅沢に使い、お風呂上がりにパンツ一丁でウロウロできて最高だった。
夜のレストランは時短営業につき、外食は出来なかった。する気もなかったけど。
渋谷のデパートで韓国料理のお惣菜の詰め合わせと赤ワインの小ボトル、それとおやつのケーキを買って、部屋で「大豆田とわ子と三人の元夫」を観ながらひとりの晩餐を決め込んだ。
これまた至福のひとときであった。
大好きなルコントのケーキは白ねずみのシュークリーム「スウリー」と、お花の絵がかわいい「パトリシアン 」の2個。
調子に乗って食べた結果、うちに帰って計ったら体重が跳ね上がっていてびっくりした。
都会の旅のお供はいつもジャマン・ピュエッシユの大きなボストン。
エナメルとラフィアの組み合わせがユニークで気に入っている。
朝ごはんを食べたホテル併設のカフェ・ド・クリエにて。
飛行機の時間まで少しあるので青山のリスンに行ってお香を買おうと決めた。
買い物のあと、スパイラル・Callの中にある「家と庭」で、食べてみたかったお菓子とコーヒーを頼んで少しゆっくり過ごした。
これは今流行りのマリトッツオではなくて、スウェーデンのお菓子「セムラ」だ。
くり抜かれたブーランジェリーヤマシタのパンにアーモンドクリームが絞られていて、シナモンとカルダモンスパイスが香る。
好き嫌いが分かれそうだが、私は好みだった!
(スパイス好きなもんで)
スパイラルビルの一階では予期せず「YUKI FUJISAWA」の展覧会をやっていて、ずっといいなぁと思っている作家さんだったので眺められてラッキーだった。
ヴィンテージのバッグにメタリックな塗装やレースが施された、キュートでパンクなバッグたち。
家族へのお土産は、フランセのレモンケーキにした。
ここのレモンケーキは、ほろ苦い皮入りのレモンチョコがたっぷりかかっていて、中の生地もしっとりとして美味しいので、大好物。
乙女心をくすぐるパッケージも含めて完璧な手土産だと思う!
真夏のひまわりと、最近届いたミナペルホネン からの
秋冬コレクション用のポストカード。
丁寧にしたためられたお礼状にジーン。
いまは連日30度超えで、札幌もなかなか厳しい日々だ。
寝苦しくて嫌になるけれど、次の季節に袖を通す新しい洋服が届く日を楽しみに
「涼しい秋はもうすぐ、もうすぐ」と自分に言い聞かせている。