風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

焼肉温泉ホテル

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昨年より確実に行動範囲が狭まっているのは私だけではないはず。

今年の8月は北海道も連日記録的な暑さであったのに、海もフェスもビアガーデンも行けない夏だった。

思い返せば「ああ、暑い」と言いながら毎日ひたすら息子にごはんを作っている夏だったような気がする。

でも1日くらい、全ての家事から解放される日があったって許されるでしょ。

というわけで、お盆の頃、家族で定山渓温泉に行ってきた。


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ここはどこかの福利厚生施設だった建物をかっこよくリノベーションしていて、

華美ではないけど洒落ていて機能的で、何より明るく爽やかな空気が流れているのが気持ちの良いホテルだった。


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アメニティは必要なものだけフロントで申告して、もらってくるスタイル。

部屋は和室でいわゆる昭和の温泉宿風だったけれど、なんの不自由もなかった。

テーブルの上には、分厚くて重い表紙に金箔の文字でホテル名が刻印されてるタイプのよくある〈ホテルのご案内〉の代わりに、コピーしたみたいな紙一枚の〈ご滞在のしおり〉が置かれていた。

木彫りのだるまさんがついたルームキー。温泉まんじゅうもお茶セットも無し。

いいなぁ。すべて簡素だけどオリジナリティがあって良い感じ。

さっそく広い畳に寝っ転がって、持参した漫画「ゴールデンカムイ」の20〜25巻を読みながら夕飯の時間まで過ごした。

なんかちょっと暇だなーって思えるこんな時間が、素晴らしい。

 


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さぁお楽しみの夕食の時間だ。

このホテルに決めた最大のポイントは『焼肉が食べられる』というところだった。

ホテルの中に精肉屋が営む焼肉店が入っているのだ。

家族旅行を渋っていたマッスル高校生も「絶品焼肉つき」という誘い文句に、最後は折れて付いてきた。


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メニューは焼肉コース[六段]の1種類のみ。

6つの丸い桶に部首ごとのお肉がきれいに並べられている。そのお肉たちの美しいこと。

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美味しさを語るのは難しいから書かないが、

お肉もチョレギサラダも手づくりのタレや薬味も新鮮で、しかも洗練されていて、ものすごく美味しかった。

 

ちなみに家族で焼肉を食べるとき、私はいつも何もしない。

肉奉行の夫は肉と向き合う時はいつも真剣勝負だ。肉の焼ける色を見極め、音に耳を覚まし、食べごろを教えてくれる。

息子と私は口に運ぶのみ。幸せだ。

 

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それにこの焼肉店、何が良いって〈イイお酒が安い!〉ってことだった。

生ビールは黒ラベルのジョッキが390円、珍しい日本酒は250円から。安い分、自分で取りに行くんだけどそんなの平気。そりゃみんな積極的に飲むよね。

それにここではいくら飲んで酔っ払ったとしても、タクシーを拾って帰らなくてもいいのだ。

数十歩歩いて部屋に戻って、ふかふかの布団で眠れるんだもの。

 

でも私は温泉に入りたかったのでバカ飲みはせず、デザートの杏仁豆腐(食べ放題)を2回おかわりして、部屋に戻った。


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朝ごはんはカレーライスか雑炊のどちらかを選べた。そりゃ風邪でもない限りカレーにするよね。

だって肉屋の作るカレーだもの。

見た目は地味だけどこのカレー、コンビーフのようにクタクタになった牛肉がたっぷり入っていて、口の中では旨味の往来が激しかった。

お肉命の息子は「めっちゃうまい」を連発。

 

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最近増えてきたけど12時チェックアウトというのも素敵だ。

昔からどうも10時にはゾロゾロとチェックアウトに並ぶ日本人的光景が苦手だった私には、

朝ゆったりできるのが最高だ。


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滞在者が利用できるラウンジがまた良かった。

個室のベッドルームがあって、手元にライトを当てながら読書とコーヒーを楽しめるのだ。

朝食後、しばらくゆっくり雑誌を読んで過ごした。

高級焼肉とカレーライスを食べて温泉がついて、家事を何もせず、好きな時間にきれいなお布団で眠れるのだ。

これら全てが手に入る値段にしては、とてもリーズナブルだと思える価格とサービスの宿だった。

フロントで「また必ず来ます!」なんて力強く言っちゃった。