そんなに大したことをしていないんだけど、何だか気忙しい年の瀬。
家事の合間に時間を作って、今年最後になる映画を観にシアターキノへ行ってきた。
ラストの作品はヴィクトル・コサフスキー監督のドキュメンタリー映画「GUNDA」。
映画は全編モノクロ、ナレーションも音楽も一切無しで、聞こえるのは動物たちの声と、風や雨などの自然音のみという、ちょっと変わったアートのような作品だった。
出演者は豚、牛、片足のない鶏、それらに群がるハエたち。以上。
映像では、母豚が納屋で子を産み、お乳を与え、自然の中で育ち、大きくなった子豚たちがトラックに乗せられ運ばれてゆくところまでを描いていた。
トラックの音が遠くになって草原に1匹残された母豚がなんだか悲しんでいるように見えたのだが、それはこちらが勝手に想像しているだけで、実は豚は何も感じていないのかもしれない。
母豚はブヒブヒ鼻を鳴らしながらまた納屋にボテボテと戻っていった。
そしてこの母豚は繁殖用の豚だから、季節が巡ればまたたくさんの子を産む(産まされる)のだろう。
鶏も、牛も、ハエたちも、その日を精一杯に生き、命が尽きるまで我が生をただ生きるのみ。
そんな動物たちや自然界の変わらない営みは、ものすごく美しく崇高なものに見えた。
一年の映画締めくくりをシアターキノで迎えられて良かった。
販売用の古本棚と、映画の記事や監督のサインなどがびっしりと貼られた壁にホッとする。
大好きなアンナ・カリーナの横にあるキノ・カフェ(夜はキノ・バーになる)に寄った。
一人で来るのは久しぶり。
ここ、食べ物もおやつも美味しいのは決まってるんだけど、器もすてきなのだ。
もっと時間があれば読みかけの本を読んでゆっくりしたかったが、夕飯の支度が待っていたので
映画の余韻に浸る間もなくお会計をした。
また来年も映画をいっぱい見よう。
そして嘘とミシンの作品もさらに進化できるよう頑張ろう!
このタイミングで今このブログを読んでくださっている方へ…
いつもありがとうございます。
良いお年をお迎えくださいね。