風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

2022年 冬 嘘ミドラマ大賞発表

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今期の春ドラマももうすぐ終わりそうなのに、2022年冬期(1月〜3月)のドラマ大賞の発表を今ごろ?ええ、今頃やります。書き溜めていて公開するのをすっかり忘れていました!

日本のテレビドラマを全く観ない人にとっては毎度ながら何のことやら?でしょう。長いので読み飛ばしてくださいね。ドラマ好きな方にお届けする、嘘ミドラマ感想記。

それでは、参りたいと思います。

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ミステリー部門での佳作は「逃亡医F」「真犯人フラグ 真相編」(どちらも日本テレビ)。

「逃亡医F」は恋人殺しのぬれぎぬを着せられ、地位も名前も捨て逃亡する脳外科医・藤木(成田)の逃亡劇。F(藤木)を追う恋人の兄(松岡昌宏)の強烈なシスコンぶりと熱いキレっぷりがもうギャグの域で、毎回それを見るのが一番の楽しみだった。あと佐々木フェローを演じる安田顕の安定の変態っぷり。

ところで、天才脳外科医であるFは手術時に必ずカセットテープで昭和歌謡を聴くのだが、なぜか「真犯人フラグ 真相編」でも、カセットテープが相良(西島秀俊)の一番の理解者であると見せかけ終盤で実はめちゃくちゃ悪女だったのを暴露する二ノ宮(芳根京子)がいつもカセットテープを持ち歩いていた。静かにカセットテープブームが起こっていた今期のドラマ界。

そして不気味な殺し屋、強羅誠役でいい味を出していたダチョウ倶楽部の竜ちゃんに合掌。

 

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ミステリー部門、優勝はやっぱりこれ。

「ミステリと言う勿れ」フジテレビ
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菅田将暉の整くんがかわいすぎて。漫画の原作と比べてどうとか、そんなのはどうでも良かったもんね。

ミスドのカレードーナツも箱がほしくてすぐ買いに行った。

美術や音楽も好きな雰囲気だったので、一作ずつ丁寧に鑑賞させてもらった。毎回幸せな時間をありがとう。

続編を匂わせる終わり方が気になった。ぜひいつか戻ってきて欲しい。

 

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ほろり人情ドラマ賞はこの2本に。

「妻、小学生になる。」TBS「しもべえ」NHK

「妻、小学生になる」は最愛の妻(石田ゆり子)を亡くし生きる希望を失った圭介(堤真一)と娘(蒔田彩珠)の元に、妻が小学生の女の子になって戻ってくる、SF的な物語。

それが嘘っぽくならず感情移入できたのは、役者たちが上手いからに他ならなかった。とくに小学生版の妻を演じた毎田暖乃ちゃんの演技力がすさまじく、彼女は将来すごい女優なるだろう。

蘇り系の話は必ず死者があの世に帰るのがお決まりだから覚悟していたけれど、お別れのシーンでは涙が止まらず大変だった。

ドラマ全体に漂う黄泉の国とこの世の狭間のような浮遊感を感じさせるパスカルズの音楽がとても良かった。

 

そして「しもべえ」。

私と息子は揃って安田顕が大好き。いつも個性の強い脇役が光る彼が、今回は主役!!ヤスケンときたらもちろんコメディー要素満載。楽しい学園ドラマでもあり、毎度笑わせてもらった。

勉強も恋愛もダメダメな女子高生ユリナが何気なくダウンロードしたアプリ「しもべのしもべえ」。

困ったことがあった時このアプリを開き「しもべえ」と叫ぶと、謎のおじさん・しもべえ(安田顕)がどこからともなく現れて、問題を解決してくれるのだ。

ところで、しもべえって一体何者なのよ?

実はしもべえは昏睡状態で入院中のユリナのお父さんの魂(娘が心配すぎて)が生み出した人間だったのだ。

お父さんの意識が戻り、しもべえがこの世から消えてしまう最終回は、やはり涙なしでは見られなかった。

私にも困ったときに駆けつけてくれる「しもべえ」がいたらなぁ〜

 

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そして《思いがけぬ拾い物賞》は「おい、ハンサム」東海テレビ に。

男を見る目がない年頃の娘たち3人、そして妻。そんな女だらけの家をまとめる頑固おやじが吉田剛太郎ときたら、ドタバタホームコメディに決まってる。

「ちょっと面白そう」と思って見始めたドラマだったが、意外にも人生哲学が詰まった、あったかくて素敵なドラマだった。

とにかくお父さんは父としてもサラリーマンとしても頼り甲斐があり、生き方がハンサムで。

お母さん役のMEGUMIとの掛け合いも小気味良い夫婦漫才を見ているようだった。

最近のドラマでは「あの時キスしておけば」や「極主夫道」など、MEGUMIのコメディエンヌぶりが素晴らしい。吉田剛太郎もだけど、私は最近のMEGUMIが大好きだー。

 

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「恋せぬふたり」NHK は、新しい生き方や価値観を知るきっかけになるドラマだった。

このドラマは恋愛的にも性的にも他者に引かれない男女が人生のパートナーになる過程を描いた物語で、そのようなセクシュアリティのことを「アロマンティック・アセクシュアル」と呼ぶそうだ。

そんなアロマなふたり(高橋一生岸井ゆきの)が個を尊重し合いながら丁寧に暮らし、それぞれがベストな生き方を見つけるラストは見ていて清々しかった。

脚本を書いた吉田絵里香さんがこの作品で第40回向田邦子賞を獲ったのも、ドラマのファンとして嬉しかった。

 

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そして最後の発表になるが、2022年の冬ドラで私の中でNo. 1に輝いたのは、岡田惠和脚本の「ファイトソング」TBS だ。

岡田さんの書く脚本はいつもあたたかくて優しくて、登場人物すべてが愛おしい。

耳が聞こえなくなる空手家のヒロイン・花枝を清原伽耶一発屋の変人ミュージシャン、芦田を間宮祥太朗。花枝に万年片想いの一途な幼馴染、慎吾を菊池風磨

不器用な3人のじれったくて切ない、恋と成長の物語!というまぁ王道のラブストーリーではあるが、恋する想いの切なさや楽しさをピュアに描いた名作だったと思う。

 

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間宮祥太朗にギター持たせてPerfumeの「STAR TRAIN」を歌わせるなんて、かっこよすぎて反則!祥太朗がこんなに歌がうまいなんて知らなかったし!

耳が聞こえなくなった花枝に新曲を聞かせるシーン。彼女にこの歌をどうやって伝えたかというと。背中に寄り添わせ、自らの身体をスピーカーとして「リズムで曲を感じさせた」のだ。

きゃーなんてロマンティックなの〜〜!この最終回を録画したDVDは永久保存版ね。

 

 

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その他、こちらの2本のことを忘れていた。

ザ・阿部寛劇場「DCU」(T B S)、我らがアニキ・阿部寛のドラマは面白くない訳がない。「下町ロケット」以来の吉川晃司アニキとの共演も渋いオヤジ好きな私としては嬉しかった。

「となりのチカラ」(テレビ朝日は、松潤が近所の諸問題に必ず首を突っ込むお節介役で全然イケメン役じゃなくて毎回イライラさせられたけど、なんだかフワフワとした不思議な空気感のあるドラマだった。そして見事な松嶋菜々子の無駄遣いっぷりよ。

 

と、長くなりましたがこの辺で2022年冬期ドラマの感想はおしまいにしようと思います。

本当に見るべきドラマが多くて大変だったけど、寒い冬を楽しく過ごさせてくれて、ありがとうテレビさん!!

 

春ドラマは冬ドラマに比べると見ている本数は少ないので、次回のドラマ感想記はもっとサッパリとしたものになると思います!