風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

耳をすませば

 

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平川雄一朗・監督・脚本「耳をすませば」を観てきました。

1989年「りぼん」で連載された柊あおいの漫画が原作で、そのあとジブリによってアニメ化された不動の名作。その実写化ということで、原作ファンには批判されて当たり前みたいな空気の中、製作陣にはプレッシャーがあっただろうと思います。

でも私には終わったあと幸福感に包まれて、「俗世間に戻りたくないな。このまま良い夢を見ながら寝てしまいたい。」という気持ちになりました。

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聖司と雫、ふたりの子供時代のパートもちゃんと丁寧に描かれていて良かったな。雫が出入りしていたアンティークショップ「地球屋」の様子とか、着ている洋服や甘酸っぱいセリフのやりとりとか、まんま80〜90年代の少女漫画の世界で。

 

今回はふたりの恋物語のその後を描いていたのがこの映画の肝で、イタリアでチェロ奏者として生きる25歳の聖司をサラッと嫌味なくどこか王子然としているのにリアルさも感じさせていた桃李くんはさすがでした。

血みどろの刑事とかアイドルおたくとか、病んでたりエキセントリックだったりする役が多かったので、こんなにも普通で、怪我もせず、声を荒げることもなく、ましてや「ただただ、素敵」な彼を堪能させてくれてありがとう。

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ファンにとっても、恋愛映画として楽しみたい人にも(↓注 ネタバレ含む)

◎イタリアのレストランで向かい合ってのディナー

◎赤ワインを飲む大人になった二人

◎白いタートルネックでチェロを弾く彼に合わせて「翼をください」を歌う雫

◎迎えにきてくれた聖司が長い足で漕ぐ自転車、その後ろに乗る雫

◎朝焼けの町 幼い頃と同じ高台でのプロポーズ

などなど胸キュンシーンがいっぱいだと思いますよ!


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あれ?ロマンティックなイタリアの景色の後に、舞台は日本に移り、音尾琢磨の登場です。しかもヘビースモーカーの鬼編集長役。「孤狼の血」つながりでこのキャラなのかな?と思わせる遊び心があって個人的には音尾さんのムカつく演技に笑わせてもらいました。


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原作が大好きな人にはいろいろ思うところはあるのかもしれませんが、それはそれで。平和な邦画の世界を何も考えずのんびり楽しむのも良いのでは?
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この胸キュンポスター欲しいな。

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恋愛モノといえば、最近Amazonプライムで松井大悟監督・脚本「ちょっと思い出しただけ」という映画を観ました。

お別れしたふたりが過ごした6年間を1年ずつ同じ日をさかのぼるようにして映し出したラブロマンスで、池松壮亮伊藤沙莉が2人を演じていました。

池松壮亮って声がいいよね〜」と言われていて今までピンとこなかったけど、いや〜いいわ、声。恋人同士のふたりの距離感で聞く池松壮亮の声、すごく良かったです。

音楽を担当したクリープハイプの楽曲と歌詞が映画にそっと寄り添って、切なさ度増し増し!

「花束みたいな恋をした」もそうだったけど、映画と音楽が絶妙にマッチした恋愛映画は、何年経っても忘れることがないものです。