風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

東京・大竹伸朗展 

2022.11.11(金)〜12(土)

 

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宇和島駅》1997年

金曜21:00便〜土曜21:00便の飛行機使用という短い滞在ではあったけれど、約1年ぶりに東京へ行ってきました。

目的はミナの2023春夏コレクションの予約展示会と、東京国立近代美術館で開催されている「大竹伸朗展」を見ること。用事はこのふたつだけという贅沢な旅です。


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竹橋の東京国立近代美術館で開催されている【大竹伸朗展】へ

 

絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、巨大な建造物に至るまで、大竹さんの作品は多岐に渡っています。

そのため1.2階の3フロアを使って約半世紀分、500点の作品を展示するというすごいスケールの展覧会でした。


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絵画、版画、素描。同じ人が作ったとは思えない、作風の違う平面作品が並ぶコーナー。

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私がとくに好きなのはスクラップ作品。

毎日作り続けてるだけあって、尋常じゃない量のスクラップに圧倒されました。

みうらじゅん氏のエロ・スクラップもすごいけどね。

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生のスクラップの迫力。

ポップでおしゃれなんだけど、執念というか凄みを感じました。

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ひとつひとつ隅から隅まで眺めてきたつもりだけど、見落としがありそう。

東京に住んでいるなら何度も見に来れたのにと思い、この場を離れるのが名残惜しかったです。

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《モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像》2012年

このスクラップ小屋が好きすぎて、何度も周囲をうろうろしながら眺めました。
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遠くから見るだけでなく、近くまで寄ってガラスの窓に張り付き、中をじと〜っと観察。 
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スナックの店名をモチーフにした作品《ニューシャネル》1988年 を目の前にした時には、海外で名画(ゲルニカとか睡蓮とか)を見た時と同じくらいの感動がありました。

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ゴミの山のように見えてじつは緻密に組み合わさったスクラップのカケラたち。
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《ダブ平&ニューシャネル》1999年

音楽活動もしている大竹さん。このステージを使い「内橋和久 と ダブ平&ニューシャネル」名義で、今では伝説となっているライブをしたのだそう。
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ステージ上にあるオブジェはまるごと見どころだらけ。

 

「世界は破壊が続いているが、モノをつくりだすパワーを感じてもらえれば」

この言葉は、今回の展覧会に向けて大竹さんから発せられたメッセージです。おっしゃる通り、膨大な量の作品からパワーをもらいました。いや、パワーを全身に浴びたという感じ。

大竹さんの物を作り続ける持久力のすごさ。まさに「破壊より創造を」を体現しているアーティストだと感じました。

美術館では、個性的なファッションに身を包んださまざまな国籍の観客を見かけました。世界中に大竹伸朗ファンがいるのを実感。

 

そんな大竹さんの作品を数年前、香川県・直島で見たことがあります。直島には大竹さんがデコっためちゃくちゃカッコいい銭湯があって、ここを訪れた(実際に入浴した)時のことは今でも強烈に覚えています。

(旧ブログにその時のことを書いています。興味がある方は飛んでね)

I LOVE 湯 ☆直島日記 3☆ | 嘘とミシン

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11月だというのに春のような陽気が気持ち良かった美術館のテラスにて。

皇居周辺に漂う空気はなぜかいつも穏やかなのです。


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展覧会のあとは、お昼ごはんのお店に向かいながら表参道をぷらぷら。住んでいた頃に足繁く通ったジャマン・ピュエッシュのお店が、移転して規模が小さくなっていたことに時の流れを感じました。

(繊細なビーズ刺繍が施されたバッグは変わらず芸術的な美しさ)

H.P franceがヨーロッパから輸入している服飾雑貨は、数年前から価格が爆上がりしています。ジャマンも東京とはいえ売れ行きが厳しいということなのでしょう。

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お花屋さんの窓辺。ブーケをこの筒に入れてくれるのね。バッグのようにお花を持ち歩くのって素敵だなぁ。
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夕刻、予約時間に代官山・ミナペルホネン に到着。春夏の服を見せてもらい、気に入ったもの数点を試着しながら心躍る夢のような時間を過ごしました。

2023年春夏のテーマは『懐かしい場所』。

花や動物などミナらしいモチーフを凝った技法でシルクや麻、綿などの上質な天然素材にのせた、春の浮遊感を感じさせるコレクション でした。

とくに今回私は、ぽこぽこと起毛した丸の連鎖が格子柄を描くtähti(フィンランド語で星の意味)というテキスタイルに惹かれました。太陽の下で着ると発光するような不思議なテキスタイルなのです。

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空港へ向かう前、代官山の象徴ともいえるカフェ・ミケランジェロでお茶をしました。このカフェでは窓際の一番端っこの席に座って外を眺めるのが好き。今回は特等席が空いていてラッキーでした。

空気が乾燥していたのと、ミナで旧知の仲であるスタッフさんと喋りすぎて喉がカラカラ。

たっぷり飲めるポット入りの紅茶を飲みながら、立派な犬を散歩させている地元民を眺めつつ休憩しました。