私も一応母親ということで「お母さん同士でのねぎらい旅行」としてのんびりさせてもらった。
夕飯には地元で獲れた魚介を中心にアワビもついた御膳が並んだ。岩内の地ビールと地酒。これらを飲みながら食べた海の幸はどれも新鮮で、母といちいち「イカ刺し美味しい!」「アワビ焼き最高!」と言い合う。日頃ひとりで食事をしている母も、私と一緒だからか日本酒がすすみ、よく喋った。
旅に出るといつも思うけど、誰かが作ってくれる夕ごはんを食べる時間はなんて贅沢なんだろう。あと片付けもしなくていいし、そのまま部屋に帰ってゴロゴロしたり温泉に入ったりできるなんて!
よく晴れた朝。チェックアウトを済ませ外に出ると、身体が軽くなっていることに気づく。伸びをして、きれいな空気をいっぱい取り込んでからハンドルを握った。
雪が残るニセコ の山を目指して、このまま反対方向に行きたい欲にかられたけれど、それはまた次の楽しみにして。
団子が好きな息子へのお土産にちょっとお洒落な構えの和菓子屋へ。創業明治36年「さんまる」さん。
次々と旅の若者がカメラ片手に訪れる中、何代目なのかは分からないが若奥さまがテキパキと客をさばいていく。田舎に埋もれてしまいがちな伝統のあるお店もこうして工夫しだいでイキイキと活躍しているのを見ると、とってもいいなぁと思う。
コシがある餅も中にぎっしり詰まったあんこも美味しかった。
海のそばにある忍路(おしょろ)のパン屋さん「エグヴィヴ」にも寄った。
お店の前には2回目の焼き上がり時刻に合わせてすでに沢山の人が並んでいた。
夕食用にいちじくとクルミの入った大きなパンと朝食用にクロワッサンを買った。焼きたての香りが車の中に充満する幸せ。
でもこの日の最高の収穫は、余市の魚屋さんで買ってきたボタンエビと余市ムールだ。
とくにこの余市ムールは一般的なムール貝よりは小さいが、旨味がぎゆっと詰まっているこの時期しか獲れない余市の海の宝。サッと白ワインで蒸して食べたが、牡蠣のような深みがあって本当に美味しかった…