風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

2023-01-01から1年間の記事一覧

PERFECT DAYS

今年最後に観た映画がこれで良かった。 ヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」。 この映画の主人公、平山さん(役所広司)の仕事は公共トイレの掃除をすること。 規則正しい生活をし、無駄のない動きと真摯な姿勢でトイレをぴかぴかに磨く平山さんを見…

each &every / day trip Tokyo

ほぼ行くのを諦めていたところを「行っておいで」と夫に背中を押され、半年ぶりの東京日帰り旅へ。 関東はどんより曇り空だった。でも東京タワーが見えてくると気分が上がる。 行きの飛行機は得意のLCC。成田空港から渋谷までのバスの中、小腹が空いた時のた…

絵本とわたし展 vol.8

11月7日から札幌資料館で6日間に渡って開催された「絵本とわたし展vol.8」。 落ち葉とともに街がグラデーションを伴って美しく輝く季節に、資料館で穏やかに過ごした日々をありがたく思い返しています。 今年もこのクラシックな洋館にたくさんの方が足を運ん…

雪舟庭園にゆるキャラ発見・京都3日目

京都最終日は気持ちの良い秋晴れの空の下、ホテルを少し早い時間に出発。乗ったタクシーの運転手さんはお話好きの感じの良い人で、これから向かう東福寺の塔頭寺院の中でご自身が一番好きだという秘密のお寺を教えてくれた。ふとみると車内には「ワンピース…

ハイテンション住職とくいだおれの夜・京都2日目

京都はモーニングの用意がある珈琲の名店が多いから、朝ごはんには困らない。 今回はホテル近くの「高木珈琲店」で賑やかにモーニングを食べた。コーヒーから立ち昇る湯気、ほわほわのスクランブルエッグ。向かいには、孫の顔を見ながら元気にお皿を平らげる…

花街めぐり・京都1日目

先日、京都へ久しぶりに行ってきた。今回は札幌から一緒に母と妹、大阪から姪が合流する女三世代の旅。 母ファーストだからスローペースで、行く場所を厳選し、移動はほぼタクシーを利用するという贅沢な二泊三日だった。 到着してホテルにチェックインした…

ピンクの心

10月は毎年心が軽やかで、楽しい出来事が向こうからやってきてくれる気がする。自分の誕生月だからだろう。 先日、またひとつ年を重ねた。今年の誕生日ケーキに買ってもらったのはマロンケーキ。 一応息子にも「何の味のケーキが食べたい?」と聞いたら「栗…

Smile

闘病中だった父方のおじが亡くなり、告別式に参列するために函館に行ってきた。 母、妹、そして私。それぞれのスケジュールや諸般の事情を考えると泊まらずにいこうということになった。往復10時間かかる函館までの、叔父を送る短くもハードな日帰り旅へ。 …

オオカミの家

2018年、チリの監督レオン&コシーニャが作ったストップモーション・アニメ映画「オオカミの家」。 このポスターから放たれる、ただならぬオーラに「これ絶対好きなやつ」と直感して夜のシアターキノに出かけたら、狭いロビーは溢れんばかりの若者たちが。(…

ジェーンとシャルロット

シャルロット・ゲンズブールが、母であるジェーン・バーキンを撮影した初の長編監督作品 「ジェーンとシャルロット」を観てきた。 私は20代の頃、セルジュ・ゲンズブールをきっかけに60年代のフレンチポップスに夢中になった。そこからフレンチカルチャー、…

ダーチャ訪問記

存在していることが奇跡。宝物殿のようなお店、「しまくま堂」さんのダーチャ。 店主Kさんが旅をし、その審美眼で選び抜いた東欧やロシア圏のアンティーク雑貨を仕入れ販売しているお店だ。 ダーチャとはロシア語で「手づくりの小屋のある庭」のことを指すそ…

ピエロクラッチを持ってサーカスに

夏の終わりにサーカスを観に行った。 サーカスの世界が好きで、サーカスがモチーフの絵本を数冊持っているし、サーカス一座が出てくる映画にも好きな作品がいくつも浮かんでくる。 昔からサーカスに惹かれるのは、煌びやかさの中にどこか物悲しさが感じられ…

Barbie

「マーゴット・ロビーが実写版バービー役。そんなん、かわええに決まっとる!」と思って「Barbie」を観に行ってみたら、問題提起だらけの濃い内容で驚いた。 夢のバービーランドの主人公、バービーは、あることをきっかけにボーイフレンドのケンと一緒に人間…

「お」から広がる想像の世界

JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)北海道ブロックによる、毎年開催されているポスターデザイン展を観に行った。 会場は大丸藤井セントラル7階スカイホール。 グラフィック作品には映画と同じで「今」の時代の空気が取り込まれていると思う。だからたく…

桃のおかげサマー

子どもが一緒にどこにでもついて来てくれた頃とは違って、「海だ!フェスだ!」と夏らしいところへ出かけるような派手な夏を過ごしているわけではないけれど。 7.8月に撮ったiPhoneの写真を振り返ってみると、まぁそれなりに楽しんでる感じだ。 数年ぶりに規…

君たちはどう生きるか

宮崎駿 監督・脚本作品「君たちはどう生きるか」 前宣伝をほとんどせずに公開するの流行ってるの?最近だと映画「スラムダンク」にドラマ「VIVANT」。 「君たちはどう生きるか」は、事前公表されたのはこの圧強めのポスターのみで、声優も中身も一才事前通知…

サロンで夏のアロマづくり

「好きな香りをブレンドしてアロマスプレーを作ってみない?」蒸し暑い日々が続く中、近所の友人が誘ってくれて素敵な自宅サロンへ。 女性なら誰しもが好きな香りがあるだろう。私の好きな香りは、京都に入るとそこら中で感じる「白檀」。朝に白檀の香を焚く…

Pearl パール

タイ・ウエスト監督 A24制作映画「Pearl パール」。 このポスターと予告編をみて「これは好きだぞ!」と第六感が働き、レイトショーで観てきました。 1918年のテキサス。のどかな農場。 動物たちと戯れるパールの姿が映し出されるところから映画は始まるのだ…

ギャラリーカモカモ

会社員時代、同僚である友人Sちゃんに誘ってもらい ある金工教室に通っていたことがあります。 札幌でも有名な金工作家、鴨下蓉子先生が主宰する金工教室です。その方と、同じく金工作家である息子さんが現在新しく営まれているギャラリーで、現在の生徒さん…

怪物、露伴、東リべ2

6月に観た映画は邦画ばかりを3本。 坂元裕二脚本、是枝裕和監督の作品「怪物」。 怪物とは一体何者なのか、それを知りたくて足を運ぶ観客は多いだろう。 学校。教師。親。それとも子どもたち? わかりやすい怪物は物語の冒頭ですぐ現れるのだが、それよりも…

青空ヨガの収穫

ヨガ発祥の国、インドモディ首相が国連にて提唱し、177ヶ国の賛同を得て採択された「国際ヨガデー」。 この日は世界中でヨガを楽しむイベントが開催されますが、今年は6/21がその日にあたります。 札幌ではそれよりも少し早く、6/18日曜日の朝8時から2時間、…

日常的な空想 Day trip Tokyo

5月の末、日帰りで東京へ。 懐かしき雑貨店「魔女卵」で買ったあちゃちゅむの「いつでも眠たい人」の顔が刺繍された靴下を素足にはいて。それでも全く寒くないくらい、東京の街はもう初夏の気温でした。 昼に東京駅に着いたので、八重洲地下街にある南インド…

5月になると彼女は

暖かくなったら行きたいと洞爺湖のこの景色を思い浮かべながら冬を過ごしていました。 ゴールデンウィークのある晴れた日、ついに!! ここにまた来ることができました。 日本中、今年は桜の開花が早く、札幌ではとうに葉桜になっていたのに洞爺の桜は満開で…

2023冬《嘘ミ的ドラマ評》

すでに今年の春のドラマをどっぷり楽しんでいる今日この頃ではありますが、長らく放置していた「2023冬・嘘ミ的ドラマ評まとめ」を書きたいと思います! まずは世の中で一番話題に上がっていた、生まれ変わりドラマ《ブラッシュアップライフ》(日本テレビ)…

RRR

S・S・ラージャマウリ監督の《RRR》 ここ最近観た映画の中でも突き抜けて面白かった! さすが映画大国インド。スケールの大きさ規格外!エキストラの数、ラストエンペラー超え(個人的体感) 舞台は1920年、英国植民地時代のインド英国軍にさらわれた幼い少…

待ってる/一緒に/歌うとき

シーナ&ロケッツの鮎川誠さんに続いて、1月には高橋幸宏さん、そして先日、坂本龍一さんが亡くなってしまった。 我が夫は音楽好きで、結婚前はドライブ用に好きな曲をカセットテープの両面いっぱいに入れて渡してくれた。それによって私は新しい音楽を沢山…

まいた・種

「カエル展」の準備をしていた2月、知り合いの雑貨店店主のInstagramの投稿を見て「これは観に行かないといけないやつだ」とピンと来て駆けつけた展覧会がありました。2023.2.25-3.5 ギャラリー創にて開催された 小林重予 日記画+展 final 「まいた・種」 …

永遠の「kawaii」

美術を鑑賞というよりは遊びに行く感覚で、北海道立近代美術館で開催中の「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」に妹と一緒に行ってきた。 昭和、平成、令和。多くの女の子たちが通ってきたサンリオ道。私も小学生の頃、サンリオショップでときめきの…

バビロン(と夢の話)

先日観た映画「BABYLON」。 賛否両論あるが私は嫌うことはできなかったな。 冒頭の豪華絢爛・狂乱の宴のシーンをぶったぎって「BABYLON」のタイトルバックがどーんと出るところまでは「ラ・ラ・ランド」を上回るインパクトがあった。ここまでは観客に思考す…

岸辺露伴展とガンニバル

NHKで放送されたドラマ「岸辺露伴は動かない」は、役者、脚本、音楽、映像すべてに美学が感じられる素敵なドラマだった。原作の漫画とはまた違う良さがあり、高橋一生が演じる露伴は美しかった。 この放送を記念して開かれた展覧会「岸辺露伴は動かない展」…