風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

面影アパートメント②

「面影アパートメント」には、嘘とミシンの作品を身につけて遊びに来てくれた方も多く、懐かしい作品との再会がいくつもありました。 本当にありがたいことです。 たぶん10年以上前に作ったイギリステイストなチェック柄の「うさ貴族ブローチ」。 バッグにこ…

面影アパートメント①

11月5日から9日間、布小物作家のわたし「嘘とミシン」のはじめての個展を、札幌市資料館で開きました。札幌の重要文化財である資料館のクラシックな佇まいを活かすべく、最初からここをどこか架空の国に住む女性のアパートメントにしようと、タイトルは「面…

盛岡へゆく①フェリーの旅

6月上旬の週末のことになるが、盛岡へ遊びに行ってきた。 北海道からは飛行機を使って花巻空港まで飛ぶのが一番早く一般的なのだろうけど、船旅なら安いし面白いのではないだろうかと、フェリー+バスで行くことにした。 計画してくれた夫と一緒に金曜の深夜…

STRANGE DARLING

「父と僕の終わらない歌」「国宝」「フロントライン」と、近頃は邦画を観ることが続いていて洋画は久しぶりだった。 JT・モルナー脚本・監督、アメリカの映画「STRANGE DARLING」は最近見た映画の中でも一風変わった捻りのある内容で、面白いなと感じるもの…

羽花展とぷらぷら吉祥寺 ③東京旅

雨粒シャワーを浴びたあとの木々の葉がきらきら光る午前11時の代官山。 ミナペルホネン設立30周年記念の展覧会を見るためにヒルサイドギャラリーon the hillへ。 坂道を上って見えてきたのはキャラクターガールのenkeli(天使)ちゃん。 「羽花」 minä Perho…

こころ動かす、ひとの力で 新宿渋谷編 ②東京旅

華やかなパーティーの余韻をまぶたの奥に残しながら、小雨が降る中急いで向かったのは新宿。 この春に関西の大学を卒業し、東京で働くために引っ越してきた姪に会いに来たのだ。 退勤後の姪と待ち合わせたのは、老舗のヴェネチア料理店 IL BACARO。 入り口は…

蝶になって空を飛んだ日 東京旅①

5月の終わり。ミナペルホネンの設立30周年記念のパーティーに招待していただき、東京へ行ってきた。会場はフランク・ロイド・ライト設計の名建築、自由学園 明日館。 私がはじめてミナの洋服と出会ったのは1999年頃 のこと。 国立のセレクトショップ「aĩnée…

②京都・洒落気と食い気編 冬の関西女子旅

旅の最終日は奈良のホテルをチェックアウトしてすぐに車を京都に向かって走らせた。 最初の目的地は『ミナペルホネン 京都店』。 大学の卒業式に着る姪のドレスをみんなで選ぶのだ。 「卒業式は袴ではなく、ミナの特別な洋服を着て出席したい」と彼女が言っ…

①奈良・大阪編 冬の関西女子旅

去年の12月、母、妹、姪と一緒に関西を旅してきた。 ことあるごとに「元気に歩けるうちにもう一度奈良に行きたい」と言う母。そして4月から東京で社会人生活をスタートさせる姪。今後全員揃っての旅行はなかなかできなくなるだろう。ならば今!と計画した、…

ART PICNIC 2024

先日NHKで放送した『細野晴臣イエローマジックショー4』を観ていたら、最後の曲《Body snatchers》の演奏がめちゃくちゃかっこよくて痺れた。細野さんと一緒にくくく(原田郁子+ &角銅真実)がコーラスを担当していたのだが、その楽しそうな様子を見ていて…

関西ひとり旅④完結編

関西ひとり旅、最終日は市内から京都の西郊に位置する栂ノ尾まで、バスに揺られること1時間。 山の中に佇む世界遺産「高山寺」へ。ここはお茶の発祥地、そして「鳥獣人物戯画絵巻」のふるさとである。 夏に札幌で開催され全巻見ることを制覇した私は「鳥獣戯…

光る君に会いに 関西ひとり旅③京都→大阪編

関西2日目の朝。朝ごはんはホテル近くの老舗の珈琲店で食べた。モーニングが思いのほか値上がりしていたことに軽く衝撃を受け、さらにマーガリンでソテーされたオムレツに少し胸焼けしながら、体力が必要な暑さなので頑張って全部平らげた。 これがあると安…

乙女とおっちゃんの狭間でゆれる 関西ひとり旅②京都編

2泊3日の関西ひとり旅は2泊とも京都の烏丸にあるホテルを予約していたので、エゾシカカツカレーですっかり充電完了したあとは、京阪電車で祇園までやってきた。 毎度お馴染み、お香の「尾張屋」さんに寄った。母に頼まれた買い物をするためだ。 珍しく雨戸…

モチベ上げてこ 関西ひとり旅②大阪編

「ほんの少しだけでいいから暑さが和らいでいるといいな、もう9月だし」と淡い期待を抱きつつ降り立った神戸空港。出迎えてくれたのは、全身にまとわりつくザ・アジアな湿気。 「やはり暑さのレベルが違うわ関西は」 3日間元気に歩き通すためにはこの暑さに…

ラストマイル

夜な夜な過去出演作品を鑑賞する「満島ひかりフェス」を自室にて開催中のところに彼女の主演新作映画「ラストマイル」が公開された。 これはフェスの一環として観に行かねば! 映画の制作は TBSのドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」を生み出した塚原あゆ…

嘘ミ春のドラマ感想記2024

春ドラマ鑑賞(春です、夏ではなくて)今期完走したのは全部で9本だった。 こうしてみるとサスペンス系が多かったなという印象。この中では法廷サスペンスの「アンチヒーロー」(TBS)が脚本が良くて一番面白かった。明墨弁護士(長谷川博己)の隠れヒーロー…

鳥獣戯画 京都高山寺展

甲・乙・丙・丁の4巻、全長44m以上に及ぶ長い長い絵巻物、国宝・鳥獣戯画。それと一緒に高山寺開祖・明恵上人にまつわる文化財を120点近く見ることができる展覧会が、北海道近代美術館で始まった。 3年前のコロナ禍に同展覧会が東京国立博物館で開かれたが、…

オジたちの熱き戦い

作る物や着る服には少女心を忘れない私なのだが、頭には少年漫画脳がぎっしり詰まっている。だから、恋愛映画よりも登場人物がほとんど男性のアクション映画が大好きだ。 もうジャッキー・チェンは日本ではもうあまり人気がないのか公開期間が短いまま終わっ…

ルックバック

アニメーション映画『ルックバック』。すごい作品だった。 テーマは結構ハードで心を抉られる場面もあるのに、ただひたすら美しく崇高な映像。 心象風景に寄り添うピアノや弦楽器の優しい音楽。 すべてに大きく心を動かされて、悲しくもないのに自然に涙が溢…

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

芸術の森美術館で開催中の「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 〜お化けたちはこうして生まれた〜」へ行ってきた。 水木しげるさんの妖怪絵は、アニメの「ゲゲゲの鬼太郎」のようにデフォルメされたものではなく、漫画の原画が見てみたかった。それが叶った今回の…

緑のオウム

国の重要文化財である札幌豊平館。明治時代に天皇家のお宿として造られたあと、平成23年までホテルや社交場として市民に利用されてきたアメリカ様式の建築物だ。 先日この素敵な会館で演劇ユニット《ともす》による朗読劇「緑のオウム」が開催された。 会場…

一本のネクタイをもとめて

先日、夫に新しいネクタイを買おうと百貨店のネクタイコーナーへ。 すぐさま年配の女性店員がぴったり張り付いてきて「今これが東京で流行っている」と3万円もするものを勧めてきた。 東京で人気といえば飛びつく人はそんなに多いのか? 趣味を押し付けられ…

ポルトガルのワインと「異人たち」

夕方までしかやっていないワインカフェに行ってみた。 頭の中がモヤっとした時に時々一人でカフェに行くのが好きなのだが、こちらのカフェの飲み物のメインはコーヒーや紅茶じゃなくて、ワイン。昼間ふらっとひとりでワイン…想像しただけで最高じゃないか!…

関心領域 THE ZONE OF INTEREST

ジョナサン・グレイザー監督・脚本映画「関心領域」。衝撃的な映画だった。忘れられない一本になるだろう。 ホロコーストを扱った映画は何本か見てきたけれど、被害者側から描いたものが殆どだった。この映画は加害者側からホロコーストを描いていて、しかも…

day trip Tokyo →宇野亞喜良展

イラストレーター、グラフィックデザイナーとして90歳を超えても元気にご活躍中の、私の大好きなおじさま、宇野亞喜良さん。 初期から最新作までを網羅した過去最大規模の展覧会が東京オペラシティアートギャラリーで開かれると知った時から、行けるタイミン…

③春休みだよ男メシの旅・大阪編

「春休みだよ男メシの旅」最終日は広島から新幹線で大阪に移動してきた。 宿泊したホテルは阪急インターナショナルホテル。梅田にある豪華な5つ星ホテルだった。 私もこれほど素晴らしいグレードのホテルは、円高絶好調だった時代の海外でしか泊まったことが…

②春休みだよ男メシの旅・広島・宮島編

朝食レストランにこんなかわいいドーナツコーナーが。 今回泊まったオリエンタルホテル福岡のビュッフェには50種類以上のメニューがおしゃれに並んでいて、色合いを考えながらオリジナルの一皿を作るのが楽しかった! 豊富なメニューの中には豚骨ラーメンや…

プリシラ

ソフィア・コッポラ久々の新作「プリシラ」を観てきた。 エルヴィス・プレスリー、生涯ただ一人の妻だったプリシラ。彼女とプレスリーの出会いから別れまでの物語。 私はプリシラのことはおろか、プレスリーに関しては曲こそは知っているが『くねくね踊る、…

①春休みだよ男メシの旅・福岡編

3月末、夫の勤続30周年と息子の大学再入学を好機として、久しぶりに家族3人で旅行した。 実は家族旅行に関しては、2年前の高校卒業時にみんなで行こうと強引に予定したものを前日に「どうしても行きたくない」とごねられ、キャンセルしたという苦い思い出が…

オッペンハイマー

ロバート・オッペンハイマーは、第二次世界大戦中の原子爆弾開発においてリーダー的役割を果たした人だ。「原爆の父」として知られる。 かなり前からクリストファー・ノーラン監督の映画「オッペンハイマー」は、アメリカで大ヒット、アカデミー賞で7部門も…