闘病中だった父方のおじが亡くなり、告別式に参列するために函館に行ってきた。
母、妹、そして私。それぞれのスケジュールや諸般の事情を考えると泊まらずにいこうということになった。往復10時間かかる函館までの、叔父を送る短くもハードな日帰り旅へ。
父の兄弟は4人とも全員スラッと背が高く、声も大きかった。はるか昔。いとこたちも大集合する祖父母宅のお盆の集いに行くと、それは賑やかだった。父とおじ4兄弟は職も個性もバラバラな男たちだったけれど、ガハハと大きな口を開けて豪快に笑うところは、全員同じだった。親戚みんなで食べるのは毎年決まってすき焼き。タバコを吸い、ビールを飲んで酔っ払って、更に大きな声になる4兄弟。遠い夏の日の光景がなつかしい。
そして、遺影になってしまった叔父さん。思い出されるのは、白いランニング姿と、真っ白な歯。
その人を偲ぶ時、まず先に笑顔が思い出されるってことは、その人の人生はきっと幸せだったってことだ。
告別式のあとは、函館で一番好きな聖ヨハネ教会に少しだけ寄れたし、五島軒でエビフライとクリームコロッケも食べることができた。
函館を出ようとする時、空に見事なダブルレインボーがかかった。田舎ゆえ遮るものがなかったので、虹の始まりと終わりが見れた。叔父さんが見送ってくれたのだと思う。