母の誕生日の日曜日。
久しぶりに遠くへドライブでも、と思いたち
ここは彫刻家・安田侃さんの作品が点在する自然豊かな芸術公園。
市民の憩いの場とされているが、無料なのが申し訳ないくらいあまりにも贅沢で洒落た公園だ。
園内の木々は紅葉が少し始まっていた。
充分綺麗だったけど、もう少し気温が下がったら全部が真っ赤に染まってきっと見事だろう。
秋になると母は毎年、自宅近くの公園で真っ赤に染まった紅葉を1.2枚拾って、本や手帳に挟んできれいに保存することを習慣にしている。
アルテピアッツァでもお気に入りの一枚を真剣に選んでいるようだった。
カフェ、アルテ。
彫刻と緑が一枚の絵のように眺められる窓際の一人席が特等席なのだけど、
今回は三人で座れる暖炉のそばの席にした。
炎が揺らめく暖炉が目にも暖かかく、今日持ってきたカゴバッグと暖炉がぴったり絵になっていた。
カゴにかぶせているカバーは2年前の「絵本とわたし展」のために作った自分の作品。
いわさきちひろさんの絵本《ゆきごんのおくりもの》をテーマにしています。
カフェでの話題は、今後の母の暮らし方について。(終活とも言う)
誕生日なのに酷かなとも思ったのだけど、元気なうちに本人の意思をなんとなく確認しておくことは大事だし
できるだけ楽しく健康に長く生きるためにどうするのが良いか、三人でざっくばらんに話し合った。
こんな時、辛辣な意見を言うのは決まって私。そして必ずあとで少し反省する。
優しい言葉をかけるのは妹だ。
季節によって違う表情を見せるアルテピアッツァ。
夏には噴水が見られる場所で、かわいいポーズを指定して母や妹を撮影した。
そして私も、まるで自分が誕生日かのような写真を撮ってもらった。
真っ赤なコーデュロイのパンツに紺色のアイテムを合わせるスタイルは、子どもの頃からずっと大好きなコーディネートだ。