またまたまたまた!
北海道に緊急事態宣言が敷かれることになり、美術館が閉鎖されたら見られなくなると思って急ぎ出かけてきた。
『へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで』。
中世の水墨画から現代のヘタウマ漫画まで、日本人の「へそまがりな感性」が生んだ絵画の数々を紹介する美術展だ。
展覧会ではおもに江戸時代の禅画が多く展示されていたのだが、ポスターにもなっていたこちらのゆるいウサギとフクロウの絵は、なんと徳川家光公が描いたもの。
ヘタなのか上手いのか、いやそんなことどうでもいい。
その大らかさとへっぽこぶりに惹かれた。
殿の感性、なんてかわいいの!
この絵が連続模様でプリントされたパジャマがあったらぜひとも買いたい。いや、生地があれば自分で作る。
「こんなに面白い人がいたなんて、今まで知らなかったよ!」とショックを受けたのは、87歳まで生きて絵を描いた臨済宗古月派の和尚さん、仙厓義梵だ。
ゆるふわすぎる画風に禅問答を溶け込ませた作品を数多く残している。
かなり変わり者だったらしく、こんなエピソードがあるのを後から知った。
ある年のお正月、黒田藩の役人が聖福寺に年始に参り、仙厓義梵に「何かおめでたい言葉を書いて下さい」とお願いされて「「祖死父死子死孫死」と書いた。
役人は顔をしかめて、「めでたいことをとお願いしたのに、これはひどい。縁起でもない」と怒り出した。
すると仙厓は次の様に言った。「そうかのう、まず爺さんが死ぬ。次に親父が死ぬ。次に子が死んで、その後に孫が死ぬ。順序正しく死んで行けば、家中に若死するものがないということなんだ。だから、こんなめでたいことはない」と言われたそうな。
ちょっと捻くれ者だけど、私は好きだなぁ。
「祖死父死子死孫死」。
字面もカッコいいから暴走族の特攻服の腕にプリントしたらいいよ。
他にも伊藤若冲が描いたあり得ないほどおでこが長い福禄寿や、ヘタウマ代表画家・アンリ・ルソーが描いた、地に足がついていない不思議なおじさんの絵など、どの絵も微妙に構図がおかしかったり、目つきが怪しかったり、くすっと笑える絵ばかりだった。
現代を代表するヘタウマ漫画家として?蛭子能収や湯村輝彦の漫画も紹介されていた。
高校生の頃「青林堂」の蛭子さんの漫画をお小遣いで買って読んでいたので、美術館に展示されてる…とおもったら何だか可笑しかった。
美術館公認の仙厓義梵のLINEスタンプを発見し、
義梵ファンとしては見逃せず速攻購入。
これ、義梵を知ってる人には間違いなく喜んでもらえるし、別に知らなくても「かわいい♡」って思ってもらえるだろう。