風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

神戸のメルスリー

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3月末、家族で旅行に行った神戸で30分だけ時間をとって寄った大好きな手芸用品のお店「Rollo antiques」。

以前このお店は、京都と神戸に一店ずつあったので、京都に行った時には必ず寄って材料を買うのが大きな楽しみだった。が、いまは神戸・三ノ宮のこの一軒だけになってしまった。

Rolloの最大の魅力は、フランスで直接買い付けてきているものが多いことだ。リボンやボタン、ヴィンテージの生地など、ここでしか買えない味わい深い品物がある。

毎回多少高くても手に入れようという意気込みで物色をはじめるのだが、実はそう高くないお値段で販売してくれている。そんなところもありがたい。

(若干の値上げは感じたがそれでも他のお店に比べると良心的な価格だ)

店内はパリのメルスリーのような雰囲気で、花材やアップリケや小さなボタンなどは、解読するのに時間がかかる癖の強いフランス語の文字が記された小箱に入って売られている。小箱が棚にずらっと並んでいるのを上から下までひとつずつ眺める時間は、幸せでちょっと泣きそうになるくらいだ。

 

物価高が止まらない日本、やはり手芸品もどこのお店でも少しずつ、じわじわと値上げがされている。

前は置いてあった品物が欠品したままいつまでも入荷せず、取り扱いがなくなってしまうことも少なくない。お金も時間もかかる手芸そのものをしなくなる人が増えているのかもしれない。寂しく思う。

 

「嘘とミシン」を好きでいてくださる方は良くお分かりかと思うが、私の作品は古今東西の様々な手芸材料を組み合わせて生まれる。

自然の風景や目に見えない香り、心の高揚感なども含ませながら材料を吟味し作るので、大量生産はできないが「全部違ってオンリーワン」になるところが魅力だと思っている。

これからもRolloさんのような心ときめくお店がある限り、遠くてもできるだけ足繁く通い、直接自分の目で見て材料を揃えていくつもりだ。

今回、Rolloでワクワクしながら選んだリボンや布、ビーズやスパンコールなどを、これからの作品に活かす時が楽しみだ。