今年もゴールデンウィークは近場でぷらぷらするのみだった。
奈良美智写真展「Though no one may notice,the world knows all that you have seen.」
の札幌編を見たくて、化粧品を買いにデパートに出かけたついでにそこから一番近いお店を覗くことに。
雑貨店のPiccolinaさんへ。
デンマークやスウェーデンなど北欧の雑貨やアンティークの品々が並ぶ中、奈良さんの写真は前からずっとそこにあったかのように馴染んでいた。
不思議だけど、奈良さんがそれぞれのお店の空気に合う写真を選ぶのが上手いからなのだろう。
Piccolinaのために選ばれた写真は、アフガニスタンや台湾、樺太などで撮られたものが多く
テーマは「戦争反対、原発反対」だという。
中東の現地の人々(やはり子どもが多い)による一見普通に見える暮らしの向こうにある紛争。写真にはそんな物騒な光景は写ってはいなかったが、なぜか大きな悲しみを想像させる力があった。
嘘とミシンのタグに使おうと植物が描かれた小さなスウェーデンのカードを、このお店で数枚購入した。
そのときにお店のオーナー女性から、この写真展にまつわるサイドストーリーとともに
「コロナがおさまらないからしばらく買い付けに行けない」という話を聞いた。
異国の空気がいっぱいのこのお店で、自由に旅ができたほんの2年前の世界を思い出して、私も急に海外が懐かしくなってしまった。
先日も絵本を買った子どもの本屋さん「ろばのこ」。
ここも写真展の会場になっていたので、Piccolinaの帰りに寄ってみた。
ちょっと笑みが溢れるようなユーモアのある写真や動物の写真が展示されていた。
おもちゃと絵本と奈良さんの写真の相性の良さといったら。
絵本や児童書の棚の中に、眠る子どもの写真。
お母さんに絵本を読んでもらっているうちに眠くなって瞼を閉じてしまった子どもみたいで、幸せな気持ちになった。