風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

花街めぐり・京都1日目

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先日、京都へ久しぶりに行ってきた。今回は札幌から一緒に母と妹、大阪から姪が合流する女三世代の旅。

母ファーストだからスローペースで、行く場所を厳選し、移動はほぼタクシーを利用するという贅沢な二泊三日だった。

到着してホテルにチェックインしたあと、早めの夕飯は予約しておいた町中華のお店へ。

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町中華といってもそこは花街・上七軒に古くからあるお店だから、佇まいに艶っぽさがあった。夜の帳が下りるとお店の軒先に赤い団子ちょうちんが灯り道案内をしてくれる、京都ならではの風情漂う上七軒。舞妓や芸妓さんが立ち寄ることからひと口サイズの中華が生まれたという、京ならではの中華料理は、にんにくを使わず繊細で胃に優しい。

ここ数年は京都に来たら必ず一食は中華を選んでしまうほど京都の中華はおいしいと思う。


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春巻。これ食べるために飛行機に乗って来たといってもいいくらい、絶品だった。 

お肉が入っているのに「これは羽衣か?」というくらいふわわと軽く、一瞬で胃に消えた。これ以上細くきれないのでは?と思うほど針のように細いタケノコも入っている。一言でいうならこれは天使の食べものだ。
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そして酢豚も同じく天使御用達メニュー。潔く、豚とパインのみ。はちみつのように光るトロトロの餡は軽やかで品がある。こんな酢豚は食べたことがない。
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他にも、かしわの天ぷら、麻婆豆腐、えびの天ぷらマヨネーズ和え、やきめし、汁そばなどを次々注文したが、どれもこれも涙が出るくらいのおいしさだった。

食べものの写真を載せ続けるとグルメブログになってしまうので止めておくが、最後に杏仁豆腐を。大好きな六花亭の杏仁のように優しくミルキーで幸せな味だった。

「糸仙」さんはもとは糸問屋を営んでいたという。「もう、糸はせん!」ということでこの屋号にしたらしい。洒落た店名だと思ったらダジャレかい。帰り際「全部すごーくおいしかったです!ずっと春巻を食べたくて札幌から来たんです!!」と圧強めにおかみさんに感動を伝えると、私に負けないくらいの気迫と大きな声で「いやぁぁ〜そうなのぉ〜〜嬉っしわぁぁぁ〜またおこしやす〜〜」と弾ける笑顔で応えてくれた。再訪を心に誓う。
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まだまだ夜は始まったばかり。「糸仙」を出たところで風ちゃんに「祇園のバーに飲みに行く?」と誘うと「行きたい!」と即答。母には「疲れた?ホテルで休んでる?」と訊ねると、なぜかキリッとした顔で「私も飲みに行くわ」と意外な嬉しい返答が。さすが、一杯目から日本酒を冷やでいく女だ。

上七軒からタクシーで祇園へ。


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100年の歴史あるバー「サンボア」の扉を開けた。敷居は高くはないが、独特の重厚さがあるバーだ。ここではカクテルを飲みたかったので、大好きなグラスホッパーをオーダー。爽やかなミントリキュールと生クリームの相性が抜群で、ほのかにカカオの香りもする。ミントチョコ好きにはたまらないグラスホッパー。ビアジョッキで飲みたいくらいだ。
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カクテルを2杯飲んでバーを出ると、ちょうどすぐ近くの料亭のお座敷が引いたようで、色とりどりの着物をまとった華やかな舞妓さんたちがぞろぞろと出てきたところに遭遇した。祇園で初のバー体験、そして舞妓はん行脚。夢のような時間に風ちゃんも母もとても楽しそうだった。

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鴨川のほとりでヴァイオリンを弾いていたミュージシャンが、私の好きなパッヘルバルの「カノン」を演奏し出したので思わず足を止めて聴いた。

それからまだ酔客で賑わう河原町をみんなでお喋りしながら、のんびり五条のホテルまで歩いて帰った。