風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

2022年もよろしくお願いします

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ブログの更新を怠けていたら1月をすっ飛ばしてしまいました。

どうもこれは良くない。

短くてもいい。うっすい内容でもいい。今年はもっと気軽に日々のことを綴ろうと思います。

それにしても立派なつらら。

土曜日に通っているヨガスタジオの窓から見えた光景です。

 

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私のヨガの先生はふたりいるのですが、

そのうちのお一人である土曜日の先生には小学1年生の男のお子さんがいて、毎回レッスンに一緒に来てくれるのです。

私がスタジオに入るとニコニコしながら「ともみさーん」と言って駆け寄ってくれるかわいいボーイ。

そんな彼が先日、動物の絵を描いてプレゼントしてくれました。嬉しかったなぁ!

どの動物にも味があってたまらないのですが、特にリーゼント風にわとり、最高でしょう?

 

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注*骨壷ではありません。

風呂敷の中身は仕込み終わった4キロ分のお味噌です。

今年も、10年以上続く仲間たちとのお味噌作りを近所の区民センターの調理室にて無事終えることができました。

毎年この作業(←けっこう重労働)のあとには皆で「お疲れランチ」をするのが恒例だったのですが、2年連続でランチは中止。

各自帰り支度をパパッと済ませ、大雪の中荷物を車にしまい「じゃまたね!」と言いながら解散しました。

来年こそは。マスクなしで、ランチ会付きで全員揃ってお味噌作りをしたいものです。

どーなることやら。

あまり先のことを考え過ぎず、期待し過ぎず、

流れるままに、その時その時を楽しもう。

それが今年のテーマになりそうです。

 

GUNDA

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そんなに大したことをしていないんだけど、何だか気忙しい年の瀬。

家事の合間に時間を作って、今年最後になる映画を観にシアターキノへ行ってきた。

ラストの作品はヴィクトル・コサフスキー監督のドキュメンタリー映画「GUNDA」。

 

映画は全編モノクロ、ナレーションも音楽も一切無しで、聞こえるのは動物たちの声と、風や雨などの自然音のみという、ちょっと変わったアートのような作品だった。

出演者は豚、牛、片足のない鶏、それらに群がるハエたち。以上。

映像では、母豚が納屋で子を産み、お乳を与え、自然の中で育ち、大きくなった子豚たちがトラックに乗せられ運ばれてゆくところまでを描いていた。

トラックの音が遠くになって草原に1匹残された母豚がなんだか悲しんでいるように見えたのだが、それはこちらが勝手に想像しているだけで、実は豚は何も感じていないのかもしれない。

母豚はブヒブヒ鼻を鳴らしながらまた納屋にボテボテと戻っていった。

そしてこの母豚は繁殖用の豚だから、季節が巡ればまたたくさんの子を産む(産まされる)のだろう。

鶏も、牛も、ハエたちも、その日を精一杯に生き、命が尽きるまで我が生をただ生きるのみ。

そんな動物たちや自然界の変わらない営みは、ものすごく美しく崇高なものに見えた。

 

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一年の映画締めくくりをシアターキノで迎えられて良かった。

販売用の古本棚と、映画の記事や監督のサインなどがびっしりと貼られた壁にホッとする。


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大好きなアンナ・カリーナの横にあるキノ・カフェ(夜はキノ・バーになる)に寄った。

一人で来るのは久しぶり。


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ここ、食べ物もおやつも美味しいのは決まってるんだけど、器もすてきなのだ。

もっと時間があれば読みかけの本を読んでゆっくりしたかったが、夕飯の支度が待っていたので

映画の余韻に浸る間もなくお会計をした。

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また来年も映画をいっぱい見よう。

そして嘘とミシンの作品もさらに進化できるよう頑張ろう!

 

このタイミングで今このブログを読んでくださっている方へ…

いつもありがとうございます。

良いお年をお迎えくださいね。

 

2021秋冬《嘘ミドラマ大賞発表》

10月スタートのドラマ、今回は10本を視聴し始めたのだが「2月の勝者」からは残念ながら脱落、それ以外の9作品は最終回まで完走した。

引き続きのコロナ禍、各テレビ局制作陣がしのぎを削って質の高いドラマを見せてくれたことに心から感謝。

もちろん日本が誇る素晴らしい俳優たちにも!

 

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ブコメで一番好きだったのはこちら。

視覚障害者の高校生ユキコ(杉咲花)とヤンキーの森生(杉野遥亮)のラブストーリー「恋です!ヤンキーくんと白杖ガール」(日本テレビだ。

ピュアなふたりの恋愛模様がかわいくて、誰もが一生懸命生きていて、障がいを持つ人やジェンダー問題にも嫌味なく真実に触れ、悪意がひとつもなく、愛の世界を描いたドラマだった。

杉野遥亮は今まで脇役が多かったが、この作品ではついにブレイク。真っ直ぐでバカなヤンキー・森生が当たり役だった。杉咲花の演技力は今更語るべくもないけど、笑顔が本当に素敵で、ユキコの心の美しさや強さが透けてみえた。

 


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「最愛」。(TBS)

真田梨央(吉高由里子)と、彼女の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事(松下洸平)、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士(井浦新)の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。

過去に辛い記憶を持ち、男性に守ってあげたいと思わせる女性をやらせたら吉高由里子、ほんと一級。私も守ってあげたくなった。

そして役者としての井浦新が振り幅最強で、今回もとてもよかった。

ここ最近のドラマでは「にじいろカルテ」での明るくて頼り甲斐のある兄貴分の外科医、そして「あのときキスしておけば」での松坂桃李の恋人・キュートなオジ巴を演じた井浦新。役によって印象ががらっと変わるところが見事。

今回は梨央(吉高由里子)を庇護したい一心で自己を犠牲にする生き方をしてしまったのが悲しすぎた。

登場人物それぞれが「最愛のひと」を守りたいという気持ち。それが仇となり壮大なミステリーを生み出すという、練られた脚本は最後まで飽きさせなかった。

 


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「婚姻届に判を捺しただけですが」(TBS)

仕事人間の明葉(清野菜々)と百瀬柊(坂口健太郎)。

偽装結婚をしたカップルが本当の夫婦になるまでの、風変わりな関係を描いたドタバタラブコメディー。

百瀬(坂口健太郎)は仕事ができる広告会社の営業マン。しかし女心を読むのが恐ろしくヘタで不器用。前NHK朝ドラの「おかえり、モネ」での菅波先生とキャラがかぶっていたが、“俺たちの菅波“が民放に帰ってきたみたいで嬉しかった。

ただただ、かわいい坂口健太郎を愛でることを楽しんだドラマであった。清野菜々のオンザ眉毛と笑顔も最高。



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日本沈没ー希望のひとー」(日本テレビ

うーーーん。何度も実写化されている小松左京の面白すぎる小説であるにも関わらず、そして豪華すぎるキャストを使っているにも関わらず、リアルさに欠けてどこかチープ感漂う作りだった。

このドラマは息子と観ていたのだが、もう途中から二人で台詞にツッコミ入れたりキャラいじりして、笑いながら見てしまった。

 

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最初は老害でしかなかった副総理・里城(石橋蓮司)が後半はめっちゃ頼りになって日本の危機のために骨身を削る姿がカッコ良かったので、個人的に里城先生に助演男優賞さしあげちゃう。


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「真犯人フラグ」(日本テレビ
突然失踪した家族の謎を追うサスペンスミステリーだが、登場人物の誰もがあまりにも無節操に怪し過ぎて、考察するのを最初から放棄して見ている…。

悪意に満ちた演出が多くてちょっと疲れる。

このドラマの企画・原案は秋元康氏だそうで。私、昔から彼を胡散臭く思っていて、信用していない。

ドラマ全体にどこか誠実さが感じられない(視聴者を翻弄してやろうという意図が見えすぎて)のはそのせいか。

 

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唯一キャラが安定している刑事の阿久津(渋川清彦)。

彼が毎回披露するくだらない小噺と独特の言い回しが癖になり、今では私と息子にとっての変な癒しになっている。

「真犯人フラグ」はお正月明けには第2クールを迎えるのだが、果たしてドラマは面白い展開になるの、ならないの、どっち?!

 

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「スナックキズツキ」(テレビ東京

傷ついた人が扉を開けてしまう不思議なスナック「キズツキ」。ママのトウコ(原田知世)はお酒が飲めない。だからお酒を出さないスナックなんだけど、そのかわりトウコさんが作る手作りの飲み物や、温かい出来立ての食べ物が毎回とっても美味しそう。こないだは出来立てのシュークリームを食べるシーンを見てたまらなくなり、近くのセブンイレブンに買いに行ったほどだ。

そして時には一緒にタップダンスをしたり、楽器を演奏しながら歌ったり叫んだりしているうちにストレスも傷もほんわか癒されて、家路に向かうお客さん。

毎回、見ている私もふわっと優しい気持ちにさせられる。客のことを「あんた」と呼び「いらっしゃい、コーヒー飲んでく?」「今日もおつかれさん。」と言ってくれるトウコさんの飾らない優しさが沁みる。

そしていつもお客を癒やしてあげる存在だったトウコさんが、自身の過去の傷について話し、それを浄化させるという最終回にはジンときた。

 

あとから気になって益田ミリの原作マンガを立ち読みしたのだが、ものすごくシンプルで淡々としたお話だった。それを、脚本はもちろん、優秀なドラマ班と個性豊かな役者たちの手によって、まるで童話のようにファンタジックな世界に仕立てあげていたことを知ってびっくりした。

 


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☆嘘ミ的2021秋冬ドラマ大賞その1☆

アバランチ」(カンテレ)

謎のアウトロー集団“アバランチ”が、権力を我が物にしようとする巨悪と闘う物語。

映画「ヤクザと家族」「新聞記者」などを監督した藤井道人が脚本や監督に携わっていて、

オープニングのタイトルバックからアクション、映像の美しさ、カットの斬新さ、もちろんストーリー展開すべてがテレビドラマを完全に超えた映画のクオリティだった。

 

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リーダー・羽生役の綾野剛がかっこよすぎて毎回唸った…息子もそうだったから《男が認めるイイ男》なのだろう。

普段はそんなにイケメン風情を出していないのに、映画やドラマとなると途端に男臭さが爆発する綾野剛浅野忠信と同じ危険な匂いを感じる。

得意分野が違う有能なアバランチのメンバー全員にも味があり、各々の人生の物語を丁寧に描いていたところも良かった。

とくに2人の女優、元自衛隊の特殊部隊の経歴を持つリナ(高橋メアリージュン)の鍛えまくったボディ&アクション、それと警視庁の山守(木村佳乃)の悲しみや怒りを内包させたクールな演技がとてもよかった。

アバランチの活躍を通し、政治家、官僚、大企業といった富と権力を持った“強者”だけではなく、ネット社会の弊害など一般市民が無意識に放つ罪に対しても「正義とは何か」を問う骨太なドラマだった。


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☆嘘ミ的2021秋冬ドラマ大賞その2☆

「和田家の男たち」(テレビ朝日

アバランチ」とは全く違う路線ではあるが、まるで舞台を見ているかのような台詞回しの面白さを楽しめた「和田家の男たち」が、「アバランチ」と並んで今期の嘘ミ的ドラマ大賞だ。

元新聞記者の祖父(段田安則)、テレビの報道局員の父(佐々木蔵之介)、そしてネットニュース記者の息子(相葉雅紀)。

そんなマスコミ三世代の男たちが一つ屋根の下に暮らす物語。

ドラマ後半は優の母親・りえ(小池栄子)の死の謎を追うシリアスな展開になったが、作品全体は軽妙洒脱な雰囲気で、ウディ・アレンの映画のよう。

祖父や父が自由に恋愛し、別居婚という形をとるところも自由で素敵だなぁと思ったり。

段田安則佐々木蔵之介という名優を相手にいつでも穏やかなテンションで応じた相葉雅紀。動物好きで料理が得意、人柄の良さが滲み出ている相葉くんの演じた「優」はたぶん脚本家・大石静さんがあて書きしたのだろう。 

倫理観も価値観も違う三人の男をひとつにしていたのは、一家の食事係である優くんが用意する温かいごはん。いつもテーブルにはアイデアが光る家庭的なメニューが並び、それがとても美味しそうだった。「優クンの台所」というInstagramもあってレシピが公開されていたので、和田家の味が何度か我が家の食卓にも上がった。

そして劇中では出演者みんながマスクをし、物語は過去でも未来でもなく現在進行形だったので、より和田家に親近感を覚えた。

またそんな和田家の三人の男たちが、日々起こるニュースに対してそれぞれのメディアの立場から意見を闘わせることで、今の世相を表現していた点も面白かった。


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そして最後に今期の「ほっこりドラマ賞」を

「サムライカアサン」(日本テレビに差し上げたい。

ひとり息子のタケシ(大西風雅)が可愛すぎるばかりに世話を焼き過ぎてウザがられる、愛情たっぷりの大阪のオカンをTOKIOの城島リーダーが熱演。

もう!リーダーが普通の姿でいるのをテレビで見たら「なんで男装してるの!」って逆に思うってしまうくらい、オカンでいるのが自然だった。

タケシが独り立ちする最終回ではオカンと一緒に咽び泣き。

やっぱり私も“息子大好きオカン“。このコッテコテな「なにわの母子」の姿を、涙なくして見ることは出来なかった。

ありがとうme chill&togu



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もう10年以上のお付き合いになる委託先のお店

エステサロンの「togu」さんが、実店舗での営業を今年のクリスマスで終了されることになりました。

大きなツリーが目印だったこの建物は、toguの前身であった一軒家サロンの「me chill」。

友人から声をかけられ、me chillをオープンした当初から嘘とミシンの商品を扱って頂いていました。

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オーナーでエステティシャンであるみちるさんは、「これがやりたい!」と閃くと次々とそれを形にしてゆく人で、このフラッグガーランドも「外のツリーにかけるガーランドを作って!」とのご依頼を受けて制作したものです。

北海道の雪に負けず、濡れても大丈夫な素材でなければと、分厚いビニール素材でコラージュした力作なのです。

今見るととても懐かしく、雪景色と木の緑に映えてきれいだったことを思い出します。

 

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一軒家サロンから、まちなかのビルに店舗を引っ越しされてからも、変わらず作品を扱っていただきました。

これは、お客さまにお渡しするノベルティとしてティーパックを入れたサシェを100点ご用意した時の写真です。


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サロン広告用のヘッドドレスを制作したこともありました。

私の手から生まれたブライダル用の白いヘッドドレスが、プロのモデルとカメラマンにより何十倍も輝いて見えて、ビックリしたものです。


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toguと店名を変えられてからはじめてのお正月のために制作したお飾りです。

日頃頑張っている女性たちが羽を休め、心身共に癒されてまた元気にお店を後にする…そんなイメージを思い浮かべながら、今まで本当にたくさんの作品を納品させていただきました。

 

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これは14年前くらいの「ふたごの流れ星ガーランド」と「うさ貴族ブローチ」なのですが、この作品をみちるさんはとても気に入ってくれていました。

今の作品よりも材料も少なめで素朴な印象がありますが、私の作品の根本は変わってないんだなぁと感じます。

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実店舗は無くなってしまいますが、みちるさんは地元札幌はもちろんのこと、全国に顧客を持つスーパーゴッドハンドの持ち主です。

ユーミン夫妻をはじめ、有名ミュージシャン、クリエイター、実業家まで、その名を聞けば驚くようなお客さまが揃っていますので、今後もさらにご活躍されることは間違いなしです。

今まで本当にありがとうございました。

そして、me chill 、toguを通して嘘とミシンの作品に出会ってくださったたくさんのお客さまにも、心より感謝を申し上げます。

ラ・フォルケッタでの1日

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江別にあるイタリアンレストラン「ラ・フォルケッタ」さん。

昨年からこちらに不定期の納品ではあるけどいくつか作品を置かせてもらっていて、お待ちする際にお昼ごはんを食べるのが楽しみとなっている。

 

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こちらでアルバイトをしている友人がレストランの雑貨販売担当をしている。以前から個人的に私の作品をたくさん愛用してくれている彼女が「お店に置いてくれない?」とスカウトしてくれたのだ。


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木の温もりを感じながら、窓から見える畑の四季折々の姿を眺め食事ができる。

ときおり庭にリスや飼い猫がやってくることもあって微笑ましい。そしていつも地元の人で賑わっている暖かいスペースだ。


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壁には道内作家の作品がセンス良く飾られている。

この絵がとても好きだったので店主に尋ねると、美術の教師を退職されたご高齢のアーティストの作品だと教えてくれた。


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お料理がとても美味しく、毎度心が満たされる。

写真はないが、4種のチーズピッツァが絶品。新鮮なチーズは癖や雑味が全くなく、生クリームのようにトロトロでピッツァのパリパリの薄生地とのコントラストに感動する。

変な表現だが《飲めるチーズピッツァ》だ。

ここでは自家農園で育てられた季節の野菜や、選ばれた地元の食材を使い手の込んだ一品に変身させ、振る舞ってくれるのだ。

美味しいものを身体に取り込んだ喜びでいっぱいになる。

 

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そんな「ラ・フォルケッタ」さんには、ショートブーツブローチや猫貴族ブローチ、ヴィンテージ生地で仕立てたポーチなどを新たに置いてもらった。

作品をご覧いただきたいのはもちろんだが、お料理がとにかくとても美味しいしロケーションも最高なので、観光の方にもわざわざ訪れて頂きたい場所だ。

 

イタリア料理 La Forchetta (ラ・フォルケッタ)
〒069-0832 北海道江別市西野幌93-17

https://forchetta-nopporo.com


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帰りに近くの江別セラミックアートセンターに寄り道した。

市の主催する「えべつFUROSIKIフェスティバル2021」に、友人のお嬢さんが応募した作品が展示されていたからだ。

小さな頃から絵を描くのが好きで得意な女の子だったのだが、見事に入選していて、デザイン画が風呂敷になって展示されていた。

入選作60点の中から投票でベスト1が決まるそうなので、私も一票投じてきた。もちろんこの猫の風呂敷に!

マルジェラが語るマルタン・マルジェラ

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ライナー・ホルツェマー監督ドキュメンタリー映画「マルジェラが語るマルタン・マルジェラ」をおしゃれな友人のお誘いを受けて観てきた。

マルタン・マルジェラは、1988年にブランドをスタートさせ2008年のコレクションを最後に突然引退した伝説のデザイナーだ。


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マルジェラといえば、日本の足袋のデザインを靴に落とし込んだ「足袋ブーツ」。所有しているファッションフリークも多いだろう。

私はマルジェラの洋服や小物はひとつも持っていないが、エルメスのデザイナーまで勤める程有能だった彼が突如51歳でファッション業界から身を引いたという、その謎にも興味があった。

幼少期、ドレスメーカーだった祖母の影響でデザイナーを志し、アントワープ王立美術アカデミーを卒業。その後デザイナーとして初めて作ったのがバービー人形のための洋服だったというから、すでに変わっているというか、本当に洋服が好きだったのだろう。

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のちのコレクションでBarbieとkenの洋服のサイズ感をそのまま人間の洋服にした(つまりファスナーやベルトなどのパーツがかなり大きい)コレクションを発表したり。

モデルの顔を布で覆ったり、全ての服に手で縫い付けられたタグに通しナンバーがスタンプされているなどは有名な話だが、服そのものを見て欲しいという思いや、服を流行り物や消耗品として扱わないという意志を表したのは、当時は珍しいことだっただろう。

そんな実験的で構築的なコレクションや舞台裏が、時系列で見られて面白かった。


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映画で紹介されたマルジェラのアトリエの一部。色がほとんど白と黒だし、整ってないけど美しく、あたたかい印象を受けた。

以前、マルジェラを愛用している知り合いに「マルジェラの服はところどころにハンドメイドの良さがあって、着心地がとても良く、長く着られる。何よりも温かみを感じる。」と聞いたことがある。

そして、そんな風に毎シーズン洋服づくりに真剣に取り組んでいたマルジェラが、なぜデザイナーを辞めてしまったのかを、映画から知ることは結局出来なかった。

(満腹で途中寝てしまったのがいけなかったのか??見逃してる??)

 

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この日の私の足元。マルジェラの世界とは違うが、パープルのタイツに豹柄の靴を合わせてみた。勝手にカトリーヌ・ドヌーヴをイメージした色・柄合わせだ。


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一緒に映画を見た友人というのは、いつもお世話になっている雑貨店fèveのカリスマ店長(笑)。

いつも抜群のカラーバランスで全身コーディネートをしているおしゃれなひとで、映画を見た日はモーヴがかったパープルとオレンジの色合わせがとても素敵だった。

しかも、ナタリーレテの新作のトートバッグに嘘とミシンのノエルきのこがぶら下がっていて、嬉しかった!

 

私はファッションが大好き。だから、デザイナーの哲学と意志が感じられる服しか着たくない。こんな時代だからなおさらだ。

ジョン・ガリアーノがデザインしている今の「メゾン・マルジェラ」のショップをこんど覗きに行こうと思う。

 

風景をまとう 東京trip ③

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一泊とはいえ毎度楽しいホテル選び。

今回は銀座の「相鉄フレッサイン」にした。決め手は朝ごはん。ホテル内にあるしゃぶしゃぶ料理店で豚しゃぶ定食が食べられるのだ!

「え?朝からこの量?」と思われるかもしれないが、ふつふつ沸くお湯にくぐらせることで、お肉も野菜も優しく次々とお腹に収まるのであった。孤独のグルメの五郎さん風に言うと「朝しゃぶ、アリ。」である。

美味しかったー!ごはんまで全部平らげて、大満足。つぎもここに泊まろうかな。


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本日のスタイルは、ゆったりとしたワンピースと歩きやすいシルバーのウイングチップシューズ。
モーリーと名付けられたもこもこポシェットにはiPhoneを入れて。(方向音痴なのですぐ調べられるように)


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ホテルの近くに資生堂パーラーがあったので、ショーウィンドウに飾られた中條さんの作ったお菓子のパッケージを眺める。

ああ、これからパーラーのお菓子のデザインは誰がやるのだろう。


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ついでに寄ったビルすぐ下の資生堂ギャラリーで観た新進アーティストの作品展が面白かった。

「仮想の嘘か l  かそうのうそか」菅 実花

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《ステイ パラダイス》

アーティスト本人と本人を型どったクローン人形を写真に収めた作品。ご本人のドールっぽさも相まってどちらが本物なのか全く見分けがつかなかった。

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《分身万華鏡》

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《パラダイスシフト》

写真、映像、インスタレーション。趣向の違う作品を全て見て回ることで作り上げられた不思議な「仮想世界」。

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次は青山へ。

札幌では手に入る色や柄が限られるリボンを買いたくて、スパイラルマーケットへ。

するとここでもSPREADというユニットの、「色」をテーマにした展覧会が開かれていた。


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「コロナで沈んでいる自分たちと世界に、色で喜びを生み出したい!」がテーマの、生命力溢れる展示だ。

 

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「明日は何色の服を着よう?」

「そして次はどんな色合わせで作品作りをしよう?」

やっぱり明るい色はいいなぁ。

自由に散りばめられた色たちが踊っているみたいに見えた。


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スパイラルを出たら喉が渇いてお茶をしたくなったので、たまには洒落たカフェにでも入るかと、CAFE SHOZO の北青山店に行ってみた。


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私はできれば一年中、寒くても光が射すテラスでお茶を飲みたいので、道路に面した狭い席を迷わず選んだ。

表面カリッと焼きたてのスコーン、深煎りのコーヒーがおいしく、秋の柔らかい日差しの下でたっぷり光合成をした。

焼き菓子はお取り寄せもできるみたいだし、黒磯の本店にもいつか行ってみたい。

 

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帰る時間は近づいてくるが、まだまだ歩く。

次は代官山。2022年春夏のコレクションを見せてもらいにミナのショップへ。

次のシーズンのタイトルは「風景をまとう」だった。歩くと風を孕んで気持ちよさそうな、生地をたっぷりと使った軽やかな洋服が私を待っていた。

赤い小さなベリーの実が並んだ白いパンツ、身頃に小さなお花がずらっと刺繍されたミント色のコットンワンピース、嘴に木の実を挟んだ鳥が刺繍されたチュールのブラウス…。

どの洋服も素敵すぎてクラクラしたが、来季のために私が選んだのは、レモンが総刺繍されたビタミンカラーのフレアスリーブドレス。自分で言うのも何だけど、これが抜群に似合ったのだ。


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代官山の町では「猿楽祭」が開かれていて、オーガニック野菜のマーケットが出店していたり子どものためのヨーヨーつりや的当てなどのゲームのテントがあった。

人の間を縫ってバグパイプの楽団が練り歩いていたりで、たいそう賑やかだった。


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代官山は大好きな町なので、かなり抜け道や小道を熟知している方だ。


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でも、目印にしていたお店が無くなっていて、道に迷いそうにもなった。


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そんな中、変わらずに存在していてくれるお店のありがたさよ。ハリウッドランチマーケットが経営する「ボンベイ・バザール」で早めの夕飯を食べることにした。

ここ、アメリカの田舎のダイナーみたいな内装と、秘密基地のように地下に潜っていくところが好きなのだ。


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オーガニックビールで乾杯。

そして美味しいココナッツカレーを食べながら、一泊二日30,000歩の旅を振り返りつつ、時間まで過ごした。

 

(おしまい)