東京・神戸・福岡・青森を巡回した展覧会「ミナペルホネン /皆川明 つづく」。
展示の最後に「土」という部屋がありました。
そこは他の部屋に比べて照明も少し暗く、静かで。
長く愛用されてきたことがわかる、少しくたびれつつも強い光を放つミナの洋服たちが、透明のパネルに挟まれ飾られていました。
それぞれの洋服には、持ち主の人生とともに歩んできたことが伝わる短い文章が添えられていました。
とても感動的な展示でした。
「voice of wear」と名付けられたこの本には、その展示のために寄せられた応募作品の中から、210名分の洋服の写真とエピソードが掲載されています。
ページをめくっていくと悲しいお話も嬉しいお話もあります。小さなお子さんとの微笑ましいエピソードも、この方ユーモアがあって友だちになれそうだなぁって思うかわいいお話も。
見知らぬ人の秘密の日記を覗いているようでもあり、本の中に深く潜っていけて、心がぽっと温かくなる一冊なんです。
たくさんの美しい洋服が載っているので、カタログのようにも楽しめます。
ざらっとした手触りも、聖書のような持ちやすいサイズ感も、洋服の背景がシルバーがかっているところも。
この本の作りの全てが好きです。
私も、20年以上着用している大切なワンピースの写真を撮影し、とっておきのエピソードを綴って張り切って応募しました。
本に載せていただいています。
チラ見せできない性分なので、私のページをガバッとお見せします。
ミナペルホネン のオンラインストアで購入できます。ぜひお手に取ってみてくださいね。
「voice of wear」
装幀・本文デザイン サイトヲヒデユキ
印刷・製本 ライブアートブックス
編集・出版 ミナ ペルホネン
2022年10月10日発行 ¥2,200
オンラインストア→https://www.mina-perhonen.jp/online_store/BK0085