風に乗って空を泳ごう

世界にひとつの布小物を制作する嘘とミシン。日々感じたことや体験したことを気ままに綴ります。

怪物、露伴、東リべ2

 

 

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6月に観た映画は邦画ばかりを3本。

坂元裕二脚本、是枝裕和監督の作品「怪物」

怪物とは一体何者なのか、それを知りたくて足を運ぶ観客は多いだろう。

学校。教師。親。それとも子どもたち?

わかりやすい怪物は物語の冒頭ですぐ現れるのだが、それよりも大きな裏ボス的な怪物の登場により、驚き、感情が大きく揺れ動かされる。親である人には心が痛むシーンの連続。息子の高校時代、学校や教師に対して不信感や怒りを多く抱いた彼のために実際に闘ってきた私にも胸に迫る展開だった。

が、そのミステリーな部分を煽る見せ方や宣伝はそんなに必要だったかな。いつもの淡々とした静かな是枝監督の映画の作風とはちょっと違ったかも。性的マイノリティを持つ少年ともう1人の少年、ふたりの少年の心の動きにもっと触れて欲しかった。


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嵐が明けた朝の草原を疾走する2人の姿が、私の好きな青春映画「スタンドバイミー」のラストシーンと重なった。光と露に包まれた儚く幻想的なシーンだったので訳もなくぶわっと涙が溢れたし、「なんか良い映画だったかも」と思ってしまうところだった。が、まてよ、彼らや、学校や社会が抱える問題は何も解決してないよね。答えは観客に委ねるよってことかな。

音楽は坂本龍一さんが担当。映像に優しく寄り添う美しいピアノの旋律が忘れられず、家に帰ってすぐにアルバムをダウンロードした。

 

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2本目は菊地成孔ファンのおしゃれさんと一緒に観に行った実写版岸辺露伴ルーヴルへ行く」

絢爛豪華なゴールドのルーヴル美術館に佇む岸辺露伴高橋一生)の特製ポストカードが入場特典に貰えて嬉しかった。赤いシートの劇場の雰囲気に似合いすぎで気分が盛り上がる。

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漫画の露伴シリーズは短編集なので、その中のひとつのお話を映画スケールにする必要があったのだろう。そのため少し脚色していたのは仕方ないとしても、いつもスタイリッシュな露伴(の中の高橋一生)がお侍さんを演じていたのはちょっと違和感があった。

美術、衣装、そして菊地成孔氏の音楽、これらもNHKで放送していた時と変わらず細部まで完璧だったし、鼻の穴の奥まで美しい露伴先生を大きなスクリーンで堪能できた至福の2時間だった。

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そして3本目は4月に前編「運命」につづき公開を楽しみにしていた「東京リベンジャーズⅡ  血のハロウィン・決戦」を。


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《東京リベンジャーズ》は不良だった主人公タケミチ(北村匠海)がタイムリープの能力に目覚め、中学時代へタイムスリップした事を機に、かつての恋人(今田美桜)が殺害される運命を変えるべく、元凶となる暴走族チームで成り上がる姿を描いたサスペンス作品だ。

原作漫画には個性的で魅力溢れるヤンキー少年たちが登場するのだが、実写版としてはこれ以上ないイケメン若手俳優で揃えた贅沢な映画だ。

イケメン登場数ではもうすぐ公開の「キングダム」より上だと思う。

ドラマ「エルピス」で難しい役を演じて俳優として一段ステップアップした眞栄田郷敦が弍番隊隊長・三ツ谷役を。鍛え上げた身体から繰り出されるアクションがひたすら格好良く、眼福だった。


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そしてもちろん東京卍會の副総長、山田裕貴演じるドラケンは、中身も外見もちょーーかっこよくて男前!!大好き!
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そして今回の物語の主役と言ってもいい存在の場地圭介を演じた永山絢斗。仲間思いの彼がとったある行動により命を失うことになる、原作でもとても感動させられた名シーンを、それこそ原作以上の熱量で演じ切った。最期の言葉「ペヤング半分コな」に泣いた。

思えば私の大好きだったドラマ「べっぴんさん」「俺の家の話」「ごめんね青春」「いだてん」…彼がいい味を出していた作品は数えきれないほどある。お兄ちゃんに引けを取らない素晴らしい俳優なのにな。

頑張ってヤク抜きして、また役者として復帰してくれることを切に願う。